先日、ギャラリーWhite Cubeにて行われているニシムラマホさんの個展に白線の内側で会場音楽を提供した。提供?ちょっと違うな、個展の展示期間中、会場内で流れる音楽、その根本的な在り方からニシムラマホさんとコラボレートさせて頂いた、という方が個人的にはしっくりくる。
会場の四隅にスピーカーを設置して、メンバーがそれぞれ互いにアンタッチャブルな状態で録音した音源を同時に流す、という実験的な試みだったわけだけれども、これが思っていた以上にお互いにもそうだし空間にも親和性があって驚いた。
個展の会場音楽のみならず、23日(土)には開催期間中のライブパフォーマンスでニシムラさんのライブペイントと僕達の即興演奏でご一緒させて頂いたりもした。
ベースギターを弾くよりも不自由である方が面白い、と感じていたので最近ハマッているシステムで参戦。
mooger fooger MF-101の自己発振にエフェクトを重ねてかけていく事で音をデザイン、ディレイとリバーブを長めかつ深めにかけてピッチや音色の変化に時間差でレイヤーを重ねていくような、そんな感覚での演奏となった。
途中でそれに加えてスマートホンでのノイズアプリでホワイトノイズやスクエア波を出して会場内を動いたりした。皆ニシムラさんのライブペイントに視覚を注いでいる状態だったのでハッと振り返られたりもした。良かったのか悪かったのか。
満員御礼だった会場内、ニシムラさんの挙動の一つ一つが完全に把握出来たわけではなかったけれども、人ごしに伝わってくる気配、或いは他のメンバーが出している音の気配を頼りに演奏をした。
演奏終了後、今日の演奏は良かったのか悪かったのかどうにも手ごたえが得づらかったな、と得物が違う事によりフィードバックが得られづらいよねっていう話を樫山君としていたのだけれども、お客さんの中でノイズ好きであると仰っていたお客さんがわざわざ僕の音を頼りに声をかけて下さって嬉しかった。
ノイジシャン、と名乗る程の自負もないけれどもそういう音に嗜好を寄せる人間として憧れの片鱗みたいなものだけはそれだけで終わらない形で混在させる事は出来たのだろうと思った。
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