MXR Blue Box

病院に診察に行った。前回の診察の時に話した通り、5月初めに腕の中に入れたインプラントを除去する手術を行う事になった。あばよ、針金。

採決や心電図等様々な検査を終え、全てが終わった頃にはもう病院にたっぷり2時間はいたのであった。待合室でコックリコックリやっていたら勤務を終えて帰られる看護士さん(どうやら整形の待合室は看護士さん達のロッカールームに繋がっているらしく、制服で通られた看護士さんが私服に着替えて帰っていかれるのを何度か見た)に奇異な目で見られてしまった。待合室で眠ってしまう患者さんって、そんなに珍しいのかなあ。それとも僕が胡散臭いだけか。

まあ、いいか。ザ・フロイトの小森君から借りたエフェクターの音を出したので、感想を備忘録代わりに書いておく。

続・我が逃走

今回音を出したのは老舗メーカーMXRの「blue box」という機種。原音の2オクターブ下、それもブリブリに歪んだ音をプラスしてくれるエフェクターである。コントロールはアウトプットとドライ音とエフェクト音のブレンドコントロール。見た目もスッキリ爽やかな本機は、かの有名なSONIC YOUTHのメンバーが全員足元に置いていたという話があって、そういうのが好きな愛好家はとりあえず試している様子。僕も興味があって試してみた。何か刺激的そうだし、身近なギターリストが昔これでアンプをトバしたりと興味深い話も聞いたので。

結論。ベースで使うには奏法が限定され過ぎる。ただでさえ音程が低いベースに2オクターブ下の音を足したところでほとんど「音」にならずに「圧」だけになってしまうし、かといってさり気なくオンにしておいて「圧」だけを足そうには、ブレンドコントロールを調節、アウトプットレベルを最大にしてみた所でドライ音の音量が小さ過ぎる(気になったのがブレンドコントロールをドライ側に振り切ってもエフェクト音が出っぱなしだった事。元からこういう大雑把なブレンドコントロールなのか、それとも不具合なのかどちらなんだろう)。というわけで常時オンというわけにもいかず、思い切った音作りを試みる。

エフェクト音多め。それで各弦12フレット以上のハイポジションを弾いてみる。すると昔懐かしい(僕にとっては比較的現役)ファミリーコンピュータっぽい音がする。トラッキングはそこまで良くないので早いパッセージを弾くのには向いていないものの、この音色には何だか心くすぐられるものがあった。

4弦開放とか12フレット以下はもう、話にならないので割愛。ベースで使うには圧倒的にハイポジション。

あ、ちなみに音量はやはり小さめなので画像のようにアウトプットレベルはほぼマックスまで振り切る事。こうしても十分かは怪しいけれど、12時とかだと恐らくアンサンブルの中では使えないだろう。レベルがガクッと落ちるはずだ。

個人的には嫌いじゃない。どころか好きなエフェクターかもしれない。勿論奏法がかなり限定されてくるしオンにするシチュエーションも相当稀ではあるだろうけれども、恐らく「不器用」とか「扱いづらい」とか言うエフェクターじゃないのだ。個性の塊のような音を聴くと、何故だかSONIC YOUTHメンバーの足元にこれが置いてあったというのがひどく腑に落ちるのである。何だか俺に足らないのは前衛的な表現をする、その気概かもなあ、なんて思わされちゃうエフェクターだ。

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