前回まで
■NITTO ナッツロッカー 1/76を作る 第1回 一気に組み上げる
■NITTO ナッツロッカー 1/76を作る 第2回 ちょっとした工作をする
■NITTO ナッツロッカー 1/76を作る 第3回 補修→S.A.F.S 1/76製作→工作
■NITTO ナッツロッカー 1/76を作る 第4回 サーフェイサーを筆塗りする
■NITTO ナッツロッカー 1/76を作る 第5回 オリーブドラブで塗っていく
■NITTO ナッツロッカー 1/76を作る 第6回 S.A.F.Sにポーズをつける→混合色を塗り重ねる
塗装作業をすればする程に終わりがないな、と感じる。
カラースキーム(塗装例のようなもの)こそあるものの「自分で好き勝手に塗って良い」というルールで製作に臨んでいる僕にとって「こうなれば塗装作業は終了」という到達地点は僕の心の中にしかないものであり、同時にそれは(僕の未熟さ故に)心の中に完成図が見えているものでもないのである。手を動かしながら見えない完成形が、突然塗料を重ねた中から飛び出してくるのを発掘するような、そんな作業が塗装作業だ。
しかして作業には必ず終わりがある。日々、瞬間瞬間で移ろっていく心の中の『完成図』、その瞬間特有の『完成図』に最も近づいたなと感じた瞬間に作業を終えるようにしている。
何とも抽象的な作業だ。
今回のナッツロッカー製作に於いては半ばウェザリングに近しい風合いさえ加わった段階で「終了」となった。
塗装はこの先に施すフィルタリングで落ち着いてくるであろうからして、現段階では色が明る過ぎる事や塗装面の色の差が悪目立ちしている部分に関しては多少なりとも馴染む事を想定して作業を終えた。というわけでデカールを貼っていく。
大きな『9』というナンバリング以外にも細かいデカールを貼っていくと、手元に収まるサイズのホバー戦車のその実際の大きさが立ち上がってくるようだ。細かい工作も加えておいて良かった。細かい部品の集合性が、この戦車の大きさを強調してくれる。
今回のキットも旧いキットなので、デカールの糊は随分と弱っているようだった。
小皿に熱湯を注いで、そこにデカールを「どれだけ泳がすのだ」という程に浸してようやく貼る事が出来た。
こういう作業の1つ1つで「仕上がって」いく様が楽しいのが模型製作の良いところだよなあ。