NITTO S.A.F.Sを作る 第14回 フィギュア塗装【急】→フィルタリング

前回まで
NITTO S.A.F.Sを作る 第1回 自分と同い年のキットを製作開始
NITTO S.A.F.Sを作る 第2回 合わせ目の修正→組み上げ→修正
NITTO S.A.F.Sを作る 第3回 届いたスプリングでちょっとした工作
NITTO S.A.F.Sを作る 第4回 足の裏に軸を打つ→関節等、固定
NITTO S.A.F.Sを作る 第5回 鋳造表現→メカサフヘヴィを筆塗り
NITTO S.A.F.Sを作る 第6回 塗装で遠回り
NITTO S.A.F.Sを作る 第7回 清水式塗装に挑戦→怪我の功名で良い感じ
NITTO S.A.F.Sを作る 第8回 塗装を続ける→気持ち良くなる
NITTO S.A.F.Sを作る 第9回 パーツ毎の塗装を進める
NITTO S.A.F.Sを作る 第10回 機体微調整→フィギュア塗装開始
NITTO S.A.F.Sを作る 第11回 続・フィギュア塗装→やり直しを決意
NITTO S.A.F.Sを作る 第12回 フィギュア塗装やり直し【序】
NITTO S.A.F.Sを作る 第13回 フィギュア塗装やり直し【破】

7月13日(日)、この日は朝から妻が娘(長女、次女)達を連れて岐阜のお友達の家に遊びに行くという事で留守を預かる事になった。
と書くと聞こえは良いけれども実際は自宅に1人、自由時間である。夕方の終わり頃、岐阜まで電車を乗り継いで妻達を迎えに行く事になっていた。
日中にまとまった時間が完全に自分1人で自由になるという事はほとんどないので、却って戸惑う。
やれ映画に行くか、やれサウナでも行くかと色々思案したけれども、ひとまず気がかりになっていた模型製作をしながら夕方までどう過ごすかを検討する事にした。


先日ザッと塗装したフィギュアの、細かい部分を塗り分けたりした。
ベルトとか靴とか靴下、手袋やホルスター等である。あと地味にヘルメットの固定具だったりも塗った。
いずれも細い筆を使って慎重に慎重に塗り分けたのだが、面白いもので「まあどうにかなるだろ」くらいの気持ちで筆を動かした方が筆先が細かく動く。思い切りは何にしても大切なんだなと再確認。


フィギュアの塗装が乾くまでの間、S.A.F.S機体の方にデカールを貼っていく事にした。
もう40年近く前のキットになるわけなんだけれども、果たしてデカールはちゃんと貼り付けられるのだろうか。
これまでも旧いデカールを貼る際には苦心したけれども、水ではなく熱湯を遣えば貼りやすい事を経験したので小皿にたっぷりと熱湯を沸かした。
結果、デカールはデカールとしての自意識を取り戻し、どうにか貼り付ける事が出来た。これまでよりも長く、そしてしっかりと熱湯をくぐらせる必要はあったけれども。
しかしながら貼っている間にお湯も冷めてしまうので電子レンジで都度都度温めながらピンセットとデザインナイフを奮うのであった。


ウェザリング前だけれども結構汚れている感が出てしまっている。
あずき色にグレーを混ぜたものが効き過ぎたか。格好良いから良いのだけれども、ここまで『汚れた感』が出ているのならばウェザリングは軽めにしておいてフィルタリングくらいで良いのかもしれないな、と思いつつデカールを貼っていく。


あずき色のS.A.F.Sは果たしてどうなんだろうか、と思った瞬間もあったけれども結果的にこの色で良かったどころか大正解!という気持ちになる。
デカールを貼っていくと一気に細かい情報量が増えて格好良く見えてくる。
直前まで「貼らなくても格好良いじゃんね」とか思っていたけれども、やっぱりデカールは好きだ。


しかしながら乾燥していく中でデカールを貼った箇所が白くなってしまって、慌てた。
調べてみるとこれは『白浮き』というそうで、デカールの下に空気が入るがために起こる現象との事。
デザインナイフの先端で白浮きしているあたりをつついて目に見えない程度の穴をあけ、そこにマークセッター(デカールを軟化させる溶剤)を塗れば処置出来るとの事。
早速やってみたけれども、見事に修復。
インターネット、有難う。


ここまでで結構良い時間になっている。
出掛けるのか、どうするか。手を動かしながら思案していたはずなのだが、一向に時間の使い方が定まらない。
手元には着実に製作工程が進んでいるキットがある。このままこれを進めてしまう事にした。
フィギュアの塗装も乾いたので(水性アクリル塗料はそれなりの時間で乾いてくれるので有難い)、全体的にMr.ウェザリングカラーを塗る。墨入れと、フィルタリング効果を期待しての事だけれども塗った後にティッシュペーパーでザッと拭き取ってやるだけで服の皺とか陰になる部分にブラウンが残って良い感じに格好良くなる。ティッシュで塗料を拭いたのは綿棒がどんどんなくなっていく事に抵抗を感じたからだけれども、全体的に拭き取るのならばこれはなかなか具合が良い。拭き取ったり、ポンポン叩くように拭いたりで強弱もつけられるしなかなか便利だった。


フィギュアの顔も墨入れする事で一気に顔らしくなるから不思議だ。
フィギュアの塗装は全然自信がないけれども、このやり方ならばどうにかなる。部分部分をそれなりに塗装して、細かい筆で口や目を描く代わりにMr.ウェザリングカラーで墨入れするだけ。これならどんなに不器用な人でも出来るのではないか。


S.A.F.S機体にもフィルタリングを施す。
陰になる部分だったり「ここは暗くなるだろうな」という部分に塗料を多めに残すように拭き取った。
ウェザリングらしいウェザリングは必要ない程にグレーを混ぜたあずき色のエッヂが立っていたけれども、フィルタリングを施す事で全体的にそれなりに馴染んだのではないかと思う。


いよいよ完成も近付いてきたな、という感じ。
いやはや格好良いじゃない、S.A.F.S。
足の短さと兵器らしからぬ曲線がまた格好良い。