NITTO S.A.F.Sを作る 第6回 塗装で遠回り

前回まで
NITTO S.A.F.Sを作る 第1回 自分と同い年のキットを製作開始
NITTO S.A.F.Sを作る 第2回 合わせ目の修正→組み上げ→修正
NITTO S.A.F.Sを作る 第3回 届いたスプリングでちょっとした工作
NITTO S.A.F.Sを作る 第4回 足の裏に軸を打つ→関節等、固定
NITTO S.A.F.Sを作る 第5回 鋳造表現→メカサフヘヴィを筆塗り

人生、時として結果的に遠回りを選ぶ事もあるだろう。
僕は後々振り返った際に「あ、あれ遠回りだったな」と思う事が、割と多い。
最近娘(長女、6歳)が自転車を補助輪なしで乗り回すようになった。何なら車体の性能的にそろそろ次の段階の自転車を検討せねばならない頃合いなのだが、それを見ていて自分は小学校6年生まで自転車に乗れなかった事を思い出した。
多分、自転車に乗れるようになる年齢としては結構というかかなり遅めの年齢なのではないか。事実、周りで小学校6年生になっても自転車を乗り回していなかったのは僕だけであり、友人達が自転車で出掛ける時に僕はというと走って付いて行っていた。
両親は「興味が湧いたら乗るようになるだろう」と静観してくれていた。事実「自転車に乗ろう」と思い立った際には毎晩愛犬の散歩に出掛ける両親について練習がてら自転車に跨って出掛けるようになり、確か1週間もした頃にはスイスイ自転車で走るようになったと記憶している。
徒歩で走り回っていた時間は遠回りだったわけだけれども、お陰で走る事だけは速くなった。自転車に乗らない/乗れない期間が長かったからこそ鍛えられた身体能力だろう。
僕は自動車運転免許を取得したのも遅ければ、所謂会社勤めも遅かったのだけれども、そのいずれもがその「遠回り」の間に得た経験や培ったものがあったので、まあ良い『遠回り』だったのかもしれないなとは思っている。
『遠回り』について書いていたら日記の内容も遠回りになってしまった。


メカサフヘヴィを筆塗りしたキットに、いよいよ塗装していく。
ラッカー塗装は楽しそうだなと思えども、子ども達が寝静まった後にリビングで作業を行うリビング・モデラーの僕にはラッカー塗装は夢のまた夢である。
とはいえラッカー塗装への興味は絶えず、先日なんて社宅の敷地内にある各世帯に一部屋用意された倉庫を改造して塗装スペースに出来ないか検討してみたのだが、倉庫を覗いた瞬間に諦めた。うん、ありゃ無理だ。ものが多過ぎる。
というわけで今回も水性アクリル塗料を筆塗りしていく。
紙パレットの上で自由気ままに調色しながらグレー系統の塗料を混ぜたり明るくしたり暗くしたりしながら塗り重ねていく。


メカサフヘヴィを塗った上でグレー系統の色を塗ったら、うん、いまいち違いがわからんね。
何とか情報量を増やそうと筆を奮ったものの、どうにもパッとしない仕上がりになってしまった。
どうかなあ、塗り直そうかなあと思いながら一晩置いてみる事にした。
これまでに製作記録を書きつける段階になって「何だか、時間を置いてみて見るとそんなに悪くなかったかもな」と思う事もしばしばあったからだ。
二晩くらい置いてみた。新鮮な目線でもう一度見てみる。
塗り直す事にした。

この『遠回り』も模型製作の工程に於いては無に帰する事になるけれども、自分の経験値としては積み重ねたものになるであろう。前向きに!