奪われたものは取り返さなきゃならない。
それにどれだけ時間を費やそうが労力が必要とされようが、一度自分のものだったものが奪われたのならキッチリハッキリ取り返さなければ気が済まない。
そういう生き方をしてきたつもりだし、そういう矜持を腹の底にしっかり抱え込んで生きている。
平日のライブというのも随分と久しぶりな気がした。朝早く起きだして仕事をし、お昼休憩には「今日はどんな演奏が出来るだろうか」とワクワクしながら携帯電話(というか今時はスマートフォンというべきか)片手に昼食を食べる。
退勤時間が近付くとドキドキしながら物凄い勢いでロッカールームに駆け込んで急いで着替えて、マウンテンバイクに跨って自宅へ戻る。
この日は時間があったので一通りこの日演奏する曲を流しながらベースギターを抱えて復習、いや予習というべきか。
晩御飯を軽く食べて気持ちが落ち着いたら楽器を用意して家を出た。いざ今池HUCK FINNへ。
VSMYBLUESと名前を変えたex.i GO先輩達から声がかかったのはいつだったかな、具体的な時期は憶えていないけれど、VSMYBLUESとしての初ライブを観た時にはもう演奏する事が決まっていたので相応に前の事である。
久しぶりに何度かスタジオに入って練習して(i GOの頃とかは一旦曲を憶えたらもうスタジオ自体入らなかったりしたもんな)曲を体に落とし込んで、それで当日を迎えた。新バンドだもの、そりゃあ緊張も一層するというものだ。
ステージに上がって楽器を担ぐまでそんな風に結構気負っていたつもりだったのだが、いざ演奏が始まるとやっぱりいつも通りの感覚である。演奏行動というのはいつだって新鮮でいつだって刺激的だもんだから、緊張するっていうのはあまりない。始まるまでは絶望的な気持ちになる程緊張するのだけど、それって色々と「想定」する癖が未だ治っていないからなんだろうなと思う。
新バンドVSMYBLUESでベースギターを弾くにあたって茜谷さんから言われたのが「今までみたいにギャーン!って感じの音じゃないのがええねん」という事。挑戦しないと意味ないなとも常日頃思うので、ここはいっちょ思い切ってやってみっかと愛用のプリアンプ(愛用ってレベルじゃない程愛用してる。もう僕の楽器の一部だと思う)=サンズアンプを外してベースギターの素の音をアンプでイコラジングして演奏してみた。演奏上必要と判断したからオーバードライブを一つ、チューナーを一つ挟んだけれどもこんなにスッキリした足元は初めてだ。
練習の時からそういう感じでやったものだから戸惑いこそしなかったけれど、やっぱり新鮮だなと思う。
ステージもフロアも誰もいない静かなHUCK FINNのステージ上、いの一番についた僕が音をガツンと鳴らした時にナベちゃん(同い年/今池HUCK FINN)が言った「やっぱり舟橋君の音だなあ」って言葉がやっぱり嬉しかった。
挑戦は反芻してさらに上を目指して継続していかねば意味がない。もしまた声がかかる事があったら、きっともっと良い演奏が出来ると確信している。
しかしこの日は本当に面白かった。
HUCK FINNの熱気に満ちた空気が頭の中に入ってきて、自然と興奮するようだった。熱気にあてられるというのはああいう事を言うのだろう。
hiroponsも格好良かった。是非パイプカツトマミヰズでもお手合わせ願いたいです。
コメント