フィードバック多めな日。

さて、12月6日の日記。

早起きして自動車学校へ救命実習を受けに行く。3時間連続との事でどんな内容かと思っていたら、交通事故傷病者に対する救命行為についての座学、心肺蘇生や人工呼吸等を専用の人形相手に行う実習と盛り沢山の内容だった。実習が間に挟まると飽きずに出来て良い。最後に交通事故傷病者に対する救命の重要性を描いたミニ・フィルムを視聴するのだがああいうのも、また、良い。女優のやたらシナを作るような演技が気にかかった。

帰宅すると、入り時間30分前。この日は新栄CLUB ROCK’N’ROLLにパイプカツトマミヰズで出演。
新栄CLUB ROCK’N’ROLLは今月で22周年(オフィシャルで12月1日より営業を開始した事になっている。ちょっとあやふやだそうだけれど笑)、毎年恒例アニバーサリー月間に突入したわけなのだけれど、こうしてパイプカツトマミヰズでそういう記念すべき月間に出演出来るのはやっぱり嬉しいものだ。
あそこに出るようになって10年以上経った。僕が初めて行ったライブハウスであり、僕が初めて出演したライブハウスである。他にも特別なライブハウスは沢山あるし好きな場所も多いけれども、自分が育った場所というのは思い入れもまた、ひとしおだ。

さてアンプとベースギターを背負ってマウンテンバイクで乗り付けて、つつがなくリハーサルを終了。
入り時間が1時とちょっと早かったもんだからリハーサルが終わったのも2時くらいで、でそれくらいの時間ってやっぱりお腹が減る。偶然にも駒田君以外全員昼食がまだだったもんだから、遂に行きましたよ。途中で前通ったら出汁の良い匂いがしてたんだ。

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いつかは行ってみたかった、新栄 吉野家!
その筋の愛好家達の間では大盛り(この表現だとソフトなくらい多い。大盛りだと3.2キロとかだったかな?)で有名である。店員さんに確認すると並でも他店より多いとの事で、大人しく味噌煮込みうどん(並)を注文。
いやあ、とても旨かった!うどんの硬さも味噌煮込みとしての味も素晴らしく、しかも量が多いのにお値段が780円!あの値段にあの味で、780年!他のメニューも是非試してみたい。また絶対行くぞ。

コンビニに行くというメンバーと別れてロック(場所名を書く度に新栄CLUB ROCK’N’ROLLって書いてると語呂が悪い気がするから、もう普段から使ってる呼称で書いちゃう)へ戻ると店長 本多さんが「ドライブに行こう」と。単純にコピー屋さんに行く時に駐車場に車入れるの面倒だから見ておいてくれって事だったんだけど、色々な話が出来て楽しかった。
何だか、年末っぽいというかアニバーサリーっぽいというか、今年一年を振り返るとか具体的にしたわけじゃないけれども、この日の演奏前にこういう時間があって、僕にはとても良い時間だったと思う。

で、いざ演奏。
この日は一年の総決算!とかアニバーサリーだから!みたいな話があって実現したってわけでもなかったのだけれども(大抵そういうのより何となく、とかやりたいから、が優先されるバンドである)、鍵盤に伊藤誠人君(palitextdestroy/いとまとあやこ)と星野ゆりさん(里帰り)の二人を迎えたツインキーボード編成。
やっぱり、この日にやって良かった。L字に並べられた鍵盤は開始早々に崩れたL字になり、戻って、また崩れて。今年一年の活動を(その前からだけども)それぞれの表現とそれぞれのやり方で支えてくれた二人がズラッと並んで演奏するのは、面白かったんじゃあないかと思っている。
演奏について。この日打ち上げで話したりしてて自分で言語化した事で再認識出来たのだけれども、パイプカツトマミヰズに於いては僕は圧倒的に「キッチリしっかり、ベースギターを弾く」という意識が根底にあって。そう言うからって他のバンドとか他の音楽で適当にっていうわけでもなく、例えばリフを刻む瞬間に興奮したとする、もう物凄く興奮したとする。その時にベースを持ち上げてガッシャーンとやるか、それとも堅実にリフを刻み続けるのか、という選択肢では僕は前者をとる事がそれまで多かったんだけど(この例え話でいうと、である)、パイプカツトマミヰズではそれをやる人達ばかりいるような気もするので僕はちゃんとリフを刻まないと、否、刻みたいなとそういう風に考えている。
けれどもやっぱり気持ち的にはガンガン突っ込んで敵将の首とかとりたいタイプだから(しかも刀を振り回しまくって)気持ち的には衝動に忠実で在りたい、って部分もあって。でも今までそこに忠実になった結果、その瞬間は面白いし興奮するしそれこそそれがしっかり伝わってる感覚もあったんだけど、半分くらいは音楽的でなかったような気もしていて。
音楽としてあの瞬間を成立させるなら間違いなく僕と駒田君は堅実に、しっかりと尋常じゃない音量でリフを提示し続けるべきなんだけれど、どうなんだろうなあ、バンドマンとしてのエゴが理性的な部分と衝動的な部分に分かれていて、そこを模索するのが妙に面白そうだなと思っている。ちょっとこれからそういう部分を試行錯誤していこうと思っています。

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演奏後に宮地君(牧師に鯛/センチメント)がいつも通りのあのキラキラした目で「舟橋さんは、あの、一緒にやったバンドのベースの人で、衝撃を受けたり『あーこいつには叶わねえなあ』みたいなのって、思った事、ありますか?」と突然訊いてきた。
宮地君、一気にガッと横に来て訊いてくれたもんだから、絶対に何となく訊いてきたんじゃないぞこれはっていうのが、その行動からも話してる感じからも、わかった。と同時に、彼が僕に投げかけた質問の底深さ、難しさにちょっと戦慄も、した。
適当に答えるのは宮地君に悪いし、かといって二人でゆっくり話しながらそれぞれ思うところを提示しあって、みたいなのもその時のシチュエーション(何せまだイベントは途中だったので)的に難しかった。
「今日中に答えを出すから、必ず出すから後でまたゆっくり話そう」と約束すると宮地君はフロアに姿を消した。
さて、参ったなあ、どこからどこまで考えれば良いのだろうか。切り取るところで様々な答えが出る話では、ある。

結局、楽器を担いで帰ろうとしてる宮地君を呼び止めて「僕は多分本質的には、そういうの一度もない。今回は今日は負けたと思っても、勝てない相手じゃなかったと思ってるし、心のどこかでやっぱり自分が一番格好良いと、そう思っています。でもバンドマンってきっと皆そうなんじゃないかと思って、宮地君もそうでしょう?」。
あの瞬間の、あの笑顔は忘れられんなあ!
宮地君、またやりましょう。あの答えを持ち帰りあった僕達は是非また一緒に、やりましょう。

終演後の打ち上げではコータさん(folt)ととっくりと話し込んだ。バンド活動を続ける事、その面白味、年齢とバンド活動(こういう話は先輩とさせて頂くのが一番、安心感がある。こうなんだよ、と俺もそうだよ、が一緒にそこに存在するが故)、ベースの演奏について、何を特化させるのか、ロックが22周年を迎えた事、そして今日のお互いの演奏について、多くの話をした。座席の関係で、皆の輪から離れた所に席があったのも関係あるかもしれないけれども、本当に二人っきりでゆっくりと、沢山の話をした。あんなに打ち上げで一人の方と差し向かいで話をしたのは久しぶりだったし、ここ最近ではめっきり減ってしまった事でもあった。
バンドを脱退して、6年間バンド活動をせず、でも多くのものを見(きっと同時に多くの事を思ったんだろうな、と舟橋は思う)、そしてバンド活動を再び始め「今最高にバンドが楽しい」と笑うコータさんの姿に物凄い説得力を感じると同時に、バンド活動を続ける、続けようと思える事の根本に存在するのは「これを伝えたい!」とか「有名になりたい」とかそういう何がしかの欲求でもなくて、単純に「楽しい」なのではないかと、そしてそれが僕には一番しっくりくるものだなあと、再度思わされた。僕も単純に「楽しい」からやっている人間です。

色々な瞬間が、印象深い一日だったなあ。

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