伊勢神トンネル。

13c0ae9c.JPG後輩達にホームページ作成について教えを乞われたので、慣れない教師役なぞやってみたものの結局「最近の若者(とは言っても彼らは四歳年下なだけなのだが)は吸収が早い」と唸らされ、学ぶ姿勢について逆に教わる形になってしまった。
結局、必要な事よりも興味ある事の方がすんなりと頭に入り、技術としてアウトプットされる過程に至ってもエラーがない。教える事はもう何もないぞよ、と嘯いて深夜のドライブに繰り出した。

伊勢神トンネル、というトンネルをご存知だろうか。名古屋から国道153号線を足助方面にひた走ると存在するトンネルなのだが、その近くに旧伊勢神トンネルと呼ばれる車一台がかろうじて通れる小さな煉瓦作りのトンネルがある。
東海地方でも有名な心霊スポットで、旧伊勢神トンネルに至るまでに草木が鬱蒼と茂る山道、電灯のない急カーブが続く、実に雰囲気のある場所なのだ。興味がおありの方は是非検索エンジンで「伊勢神トンネル」と入力して情報を検索してみて頂きたい。画像やらレビュー等詳細な情報が得られるはずだ。

さて、昔から怖がりな癖にこういう場所に深夜に仲間内で出掛けるのが好きな僕は今回またしてもそこに行く事になった。
道中、雑談したり車中に流れる銀杏BOYZを堪能していた我々もトンネルが近付くにつれて自然と無口になる。
旧道よりも更に恐ろしいと言われており、かつあまり情報が出回っていない旧・旧道。願わくばそこに行きたい等と考えていたものの、車外の雰囲気からすっかり怖じ気づいた僕は周りの風景を凝視していた。
恐らくは我々と同じ場所を目指しているのだろう、車が一台追い抜かして走行していく。恐れを知らないその走りに勇気を得て、旧道に向かう。
鬱蒼と茂った樹木の隙間から、何か飛び出してやこないか。かつて聞いた怪談話はこうした時に想像力となって我々を脅かす。我々が恐れるのは怪談そのものではなく、それによって刺激される想像力とその産物なのだと思い知る。

やはり先の車も目的を同じにしていた。6名程の男衆が旧道に入っていく。灯りは手元の携帯電話のライトだけ。煉瓦作りの旧道は湿った空気をたたえており、ただでさえ肌寒い山の中、そこはさらに薄ら寒かった。

先行するグループを追って旧道の中を歩いていく我々の前に、突如赤い光が並んだ。心霊現象、それらの類ではない。先行者達が地面に並べたロケット花火に火をつけたのだ。破裂音が静寂を打ち破る。連中はわかっていない。ここはただ静かに、畏敬の念をもってただただ恐怖して通り抜ける場所のはず。赴く事自体が迷惑行為な深夜の心霊スポット探訪において、爆竹を鳴らす等。

通り抜けを諦め車に戻る我々。自然歩道と書かれた山道を少し楽しんで(天に向かって真っ直ぐ生える樹木は、夜中の山中という恐怖を突き抜けて感動を与えてくれた)爆竹連中と遭遇してしまったので帰宅。直接話してみても相容れない存在である事が容易に理解できた。彼らと我々は客観的に見れば同じ穴の狢で、現地住民からすればただの迷惑な若者だろう。ただ我々には我慢ならぬ。同じ不作法者ならその自覚を持つべきで、禁忌を犯すなら恥じ入るべきではないだろうか。

帰りがけに河原で記念撮影。大いに深夜の遠足を楽しんだ。いやあ、楽しかったなあ。

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