現金なもので屋内にいれば降りしきる雨を「趣があっていいわい」と感じ、屋根や地に雨粒がぶつかってたてる雨音によって殊更引き立てられた静けさに妙に感じ入ったりもするのだが、屋外を歩く際の雨というのは嫌らしい事この上ない。傘をさして歩くというのはどうしても好きになれないのだ。それは片手が封じられてしまうからという事もあるだろうし、濡れてしまうという事もあるだろうがそれら全てを含んでただただ煩わしいという一言に集約する事が出来るだろう。
今日はそんな相反する雨に対する好悪を感じた一日だった。
最近の、と言うよりかは随分と前から暇な時間、予定がない一日を過ごすのが苦痛でしょうがない僕にしてみれば今夜の雨というのは僕を自宅に閉じ込めておくという点に限っては良い役割を果たしたのではないだろうか。降りしきる雨の中、わざわざ傘をさしてまで出歩く気にもならず夕食後は部屋に閉じ籠っていた。気がつけば風呂にも入らずに数時間眠ってしまっていた。疲れがたまっていたかどうかは定かではないが、必要以上の睡眠というのを貪ったのも久方振りで、何とはなしに充足感を感じた。
Webを通じて様々な人間、表現者が自分をさらけ出し、交流の場とするMySpaceという場所がある。不完全密室殺人もそこに登録しているのだが、他の方々を見ていると国際的な交流を意識してか(実際、海外在住の方々からフレンドリクエストなる交流申請がされる事もある)バンド名を英語表記としているバンドが結構多い。我々はと言えば至って簡潔に「不完全密室殺人」である。英語圏の人間には漢字の羅列としか写らないであろうこの言葉を強いて彼らにもわかって貰おうと試みるのであれば二つのパターンが容易に思い付く。
ローマ字表記と英語名の表記。
前者は「fukanzen missitsu satsujin」となる。だが意味合いが伝わらない。聞いた印象であるとか、音として認識した場合の印象という観点からつけたバンド名ではない故にやはり英語表記の方が適格に意図を伝える事ができそうだ。
少し考えた結果、“imperfect closedroom murdercase”となると落ち着いた。直訳すると「不完全な密室殺人事件」である(はず)。
なかなか格好良いじゃあないか。
我々のバンド名は日本語では少し奇妙でおかしい印象を与えるようだけど(それは恐らくバンド名であるが故だろう)、この“imperfect closedroom murdercase”は英語圏の人間にどのような印象を与えるのだろうか。
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