衝撃的だった東京遠征。

自己顕示欲、の意味合いが自分の中で変わってきたように思う。というか、そうだな、変わってきている。
これだから生きるっていうのは、時間を重ねるっていうのは、人との関わりというのはやめられない。
変化/進化する事っていうのは性質的に素晴らしい事だと思うのだけれども、そういう観点では人間の精神性というものは変化を恐れない、変化を受け入れる余裕さえあれば最高に優れたものだと思う。
まだまだ死ねんよ。

さて、先日17日はEmily likes tennisのレコ発企画に呼んで頂き、我々パイプカツトマミヰズは久しぶりの東京遠征を果たしたのだった。
一頃は毎月のように行っていた東京だけれども、時間が空けば恋しくなるもので数日前からこの遠征を楽しみにしていた。だけれども東京で過ごした時間は想像していた何倍も愉快極まりないものだった。ちょっと自慢させてね。

朝9時に今池のジャパンレンタカーで集合した一同。今回は珍しくチームではなくメンバーだけの移動となった。ほとんど寝ずに(その代わり遅刻もせずに)集合した吉田君は車中でひたすらにただただ眠る。脛毛を剥き出しに眠る彼を見て、かつて酔い潰れた彼を全裸のままハイエースに積み込んで、燃えるような朝焼けの中向かった東京遠征を思い出した。
東京に着いて車を泊め、会場である新宿Motionに機材を搬入し、楽しみにしていた歌舞伎二郎を胃袋に入れ、リハーサルもつつがなく終え、新宿に来るとほとんど毎回覗いている中古楽器屋をチラ見し、そうやって新宿を満喫していたらあっという間に開演時間。
翌日仕事故、演奏してすぐに新幹線で帰らなければならない駒田君に配慮をして頂いてトップバッターでの演奏。関係者各位、有難うございます。
開演時からフロアの人数が多くて、こういうのって良いイベントだよなあと思う。共演した事もない、そして知名度もない我々をレコ発企画へ呼んでくれたELTへの気概にいざ応えん、と一所懸命演奏した。ギャリエン・クルーガーのベースアンプ(随分と前になるけれども以前Motionに出演した時はアッシュダウンだったと記憶している。如何にMotionが久しぶりかここで実感した)の素晴らしい音の立ち上がりとゴッツい音に気持ち良くなりながら演奏。自分の音に酔い痴れる事が出来る、というのは聴覚的ナルシズムでもなんでもなく、普段の練習の成果を存分に発揮するには実に良い環境であるという事に他ならない。
拳を振り上げて歓声を上げてくれるフロアの皆様方よ、僕達は貴方達を裏切らない、すぐにまた来る、だなんて約束は出来ないけれど、本当に嬉しかったよ。有難う。
出来るだけ早く、また行けるようにしますね!!

THE SLUDGEはバンドマンとしても人間としても大先輩。いぶし銀、というには早すぎるしあまりにも現役感と戦歴を重ねてこられたであろう風格を感じる演奏。轟く大音量の演奏に、なんだろう、ああいう年齢の重ね方をしたいと思った。
クウチュウ戦はこの日、ハジメタルさんを迎えた特別編成。美しい、あまりにも美しい。そしてプログレッシヴ。確かな演奏技術と”その筋”の人間を唸らせる説得力。それが美しいアンサンブルを織り成す際に如何に重要か思い知らされる。ストイックさっていうのが美しく結実した一つの完成系だ、と思う。佇まいからしてもう、良いんだもの。これから対峙し続けたいバンド。

そして主催のEmily likes tennis。クウチュウ戦の西平君から「いつか一緒にやると良いですよ」と前からお薦めして貰って事実事前調査でその通りだと思っていたのだけれども、演奏開始して数分後、もう大喜びでフロアで楽しんでしまった。巧いだけでなく旨い演奏、そしてエネルギーに満ち溢れた躍動感、そして皮肉とコミカルとそれらをゴッタ煮にして吹き飛ばすような面白さ、ああ、最高だ。余りにも稚拙な感想が過ぎるけれども、最高だった。メンバーもフロアで大喜び、お客さんも大喜び。
この日のブッキングの面子からもナイスセンスなのは明らかなのだけれども、本当に良いバンド。
彼らの誠意に僕らも応えたい。出来るだけ遠くない未来、名古屋にご招待します。是非名古屋でもあのライブを。
とここまで一息に書いたけれども、本当にこの日はあらゆる意味で楽し過ぎた。毎回遠征は楽しいし大好きだけれども、この日受けた衝撃って多分、ずっと根強く残るものなのだろうと思う。

終演後は翌日仕事であるメンバーもいたので東京の友人達とラーメンだけ食らって急いで名古屋モドリ。
100円払えば10玉まで替え玉出来ます、だなんて聞いた事ないぜ新宿。そして15mに一度は呼び込みに声をかけられるぜ新宿。
また行くぜ、東京。

コメント