道楽者だと自分でも思う

仕事が忙しく、朝早く起きて定時よりも遅く帰ってくる毎日である。
だがそれでもきっと、本当に仕事が大変な人よりかは全然働いていないな、と心のどこかで思えているから僕って本当に幸せ者のお気楽野郎だと思う。
ストレスを溜め込まない事、もといストレスを感じないようにする事というのは僕が思うにスキルの一つだ。どうやったって生きていたら感じる負荷を発想の転換で負荷でなくしてしまうというスキル。僕の場合は何て事ぁない、忙しく働いたら自分にご褒美を買ってあげる。しかも前もって。
「あれ、買っちゃったしその分バリバリ働くぞ」と前向きな気持ちで労働に勤しめるというわけだ。子供のような言いぐさだけれども、これが結構効果があってお陰様で僕ぁ昨日も今日も「ああ、アナログディレイが届くのが楽しみだなあ!」と仕事に励んだというわけ。

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スタジオに入って練習、というのが連日連夜続いている。
勿論これは好きでやっている事なのでストレスなんて微塵も感じない。けれどもアウトプットし続けるにはインプットも必要だし、情報の蓄積はそのまま発想に転換され得ると確信しているのでここ最近は気になる音楽はすぐさま摂取するようにしている。
今日届いたのはスティーブ・ライヒ『18人の音楽家のための音楽』。友人が「絶対好きですよ」とお薦めしてくれたのだけど実際、とても美しかった。
一週間程前に地下鉄の最終電車に乗っていた際に感じた車輪の回転音と振動、トンネル内を車輛が疾走する事で発生する音が妙に心地良いと気付いてから『音楽』の概念が押し広げられたように勘違いしている。
移動中に聴いて足取りが軽くなったり思わず口ずさんでしまうようなそんな素敵なメロディ、或いは心を掴んで離さないグッドリフ、興奮と狂騒をもたらすバンドアンサンブル、そういうのを愛してきたけれども今この瞬間に於いて僕にとって音楽とは『体験』だ。
自室でじっくりと、落ち着いた状態(感性が落ち着いた状態)で体験する事が愉快である。
この『18人の音楽家のための音楽』をバンドメンバーは「自分がどんな状態の時に聴いても良いと感じる」と評していたけれども、成程、確かにこれはどんな状態の時に聴いても美しく感じるだろう。映し鏡のようだ。

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練習から帰宅後、ふと気になって部屋中のベースギターの状態をチェック、調整を初めてしまった。
夜中にする作業ではなかろうに、相応の時間を費やして作業終了。すっきりした。
で、楽器が良い状態になると弾きたくなるのは人情だろう。「リバーブペダルの研究をしないとな」だなんてひとりごちてアンプヘッドにプラグイン、ヘッドホンをしてしばし空間を表現する音色というものに思いを馳せる。ヘッドホンをしながらにして空間に思いを馳せるとは何たる矛盾か。
矛盾を突き詰めようとしたものの、気がつけば音色の心地良さに感じ入って空間の拡大と縮小を表現する音色探求なんて忘れ去っていたのであった。ダンエレクトロのペダルは安い割に長く使っているものが多いな(使える、と断言していないところがミソ)。
写真のリバーブペダルも久しぶりに繋いで弾いてみたら面白かったのであった。

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