「新世界Bridge」に出演した話

わかめさん(龍宮ナイト)について、改めて、少し。
あの人と僕は二人で飲みに行ってお互いに普段遊んでる友達にも出来ないんじゃないかっていうような話を、勿論そうやって時折話し込む仲だからこそ出来る気軽さもあって暴露しちゃう程の関係だ。出会う前、そして出会った当初は僕はかってにわかめさんの事を「怖い人だ」と思っていたし、きっとあの人も僕の事を自分とは異質な、違うな、人と人が違うのは当たり前だな、どこか相容れない存在として捉えていたんじゃないのかなって推測しているのだけれども、いつしか僕はわかめさんに全然怯える事もなく、わかめさんも僕に「ハッシーさぁ」と気軽に声をかけて下さるようになった。
そんなわかめさんからメールが来たのは大丸ラーメン閉店(実際にはそこから数日やっていたのだが)の前日だった。
そのタイミングで先々の話をする事を詫びた上で(ここまで気遣いする人もなかなかいないんじゃないのかな)わかめさんがしてくれた話っていうのは情熱的で、そして面白い、興奮する話だった。
是非ここをご一読頂きたい。
平日の名古屋を面白く、だなんてそうそう簡単に掲げられるテーマじゃあない。それがどれだけ大変な事かも6年間龍宮ナイトをやってこられたわかめさんなら、そして今池HUCK FINN店長であるクロさんなら十二分に骨の髄に染みるまでわかってらっしゃるのではないか、と思う。けれども動き出した。
凄い、凄いぞ「新世界Bridge」!
真っ先にソロでの出演を頂いた事も嬉しかった。この気概に応えねば、乗らねばならぬ、と思った。

「芸術は刹那の中で作られる」が最近のマイブームモットー(定期的に心にグッとくる言葉ってあるじゃんね、今はこれ)である僕は「潤沢な時間は圧倒的なクオリティと作り込みを目指すならば必要ではあるが、一本筋の通った表現を第一に掲げるならばむしろそれがない方が余分な贅肉が削ぎ落され、無駄のないものになる」という発想の元、本当に直前にしか動くつもりはなかった。選択肢や悩む時間があると、あれもこれもとなって結局ブレる。常に自分の中で取捨選択を迫られる、眼前につきつけられるような状況での準備→本番という流れが好みである。
そして迎えた当日。
僕は朝早起きしてかしやましげみつ(孤独部)宅にいた。

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キンコーズで深夜に購入したA1版の紙を、100円均一で購入したハケやら絵の具やら諸々で塗っていく。
最初の数分は楽しい。手伝って、というか作業の半分を担当してくれた樫山君も最初の数分は楽しそうだった。
けれどもこういう作業ってすぐに飽きる。

「飽きたね」
「飽きましたね」

時間が来たので2時間出勤。自宅からよりかしやま君宅からの方が職場は近かった。
で、2時間勤務を終えてホームセンターでブルーシートを購入して再びかしやま宅へ。作業再開。
時間が良くなったので今池HUCK FINNへ!

わかめさんの手によって彩られたHUCK FINN内、フロアにビニールシートを広げて今日の僕の「フィールド」を作る。
この日は「未確認尾行物体」としてのパフォーマンス、内容は「注文の多い料理店」。
演奏は孤独部でも御一緒している金森君にお願いした。宮沢賢治の世界観は彼の木訥とした人柄にもハマるし、情緒的なギターは朗読+即興演奏にピタリとハマる気がしたからだ。ああいう独自の視点で感性を持っている人っていうのはこういう瞬間をわかちあうとより距離が縮まる。
最初はフロアでの生声朗読、生演奏で電気を一切使わない内容になるはずだったのだが、HUCK FINN ナベちゃんが「前うちでやった芸人さんがね、面白いマイクの固定方法をやっててさ」と出してくれたハンガーマイクホルダー(さながらハーモニカを首に固定するアレみたいな!)の完璧さ、全くストレスなくマイクを使っていない感覚で増幅される肉声に興奮して有線マイクを用いての朗読となった。ハンズフリーだし、PAを通す事でエフェクトを介してナベちゃんにも演騒に参加して貰えるというのも大きな魅力。
ナベちゃんのお陰で微塵のストレスもなく演騒に集中出来た。本当に有難う。

そう、この日は朗読っていう部分に関しては本当に今までで一番良い朗読が出来たように思える。
「あ、俺ノリノリだったな」って演騒後に思ったくらいだったから間違いないだろう。ただビニールシートでフロアを敷き詰めたり開演前に注意事項、みたいに影アナを入れたのは物々し過ぎたかな、とも思う。
生クリームまみれになった中、充足感を感じながら終了。

前述の色を塗った紙はかしやま君の衣装。彼は扉役という事で物語の舞台装置として動いて貰いました。彼のナイスなアドリブ、そして金森君の期待通りで期待以上の演奏も相まってキッチリと構築、構築した上での感情まかせのパフォーマンスが成立したと言っても過言ではない。二人とも本当に有難う。

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リハーサル中の様子。
演奏する金森君と床の気持ちになっている僕。

「新世界Bridge」、初回は平日とは思えない人の多さで無事終了。
わかめさんも「まさかあそこまで皆来てくれるなんて」と仰っていたけど、本当にそう。髪の毛の青いメイクをしたパンクスや凄い服着たお姉ちゃん等、普段なかなかライブ鑑賞をご一緒する事のない方々と過ごすのも面白い体験だった。良い夜だったなあ。情熱と熱気と煙(詳しくは書きません笑)が満ち溢れた夜だった。
ブラボー!!

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