有難い事に、書く事が溜まっている。
これって結構理想的な状況で、つまり最近は「日記に書いて残したい程面白おかしい事が書いて残す時間もない程に沢山あった」という感じだった。あまりに忙しいんじゃないかって?エナジードリンクと最低限の睡眠時間があればあとはアドレナリンでまだ、どうにかなる。以前より肉体が必要とする睡眠時間は圧倒的に増えたし蓄積した疲労の回復にもメンテナンスを必要とするようになったけれども加齢による諸々の衰えはまだまだアドレナリンでどうにかなる範疇でおさまっている。
話が逸れたが、書きたい事が結構重なっているのでどんどん積み重なって忘れていってしまう前にコツコツと記録を残していこうと思う。スマートホンをポチポチと触る時間くらいはあるのだから。
録音開始から実に2年の歳月を経て、白線の内側のアルバム『へいせい』が完成した。アルバム発売の日取りは平成最後の日だった。
レコ発企画もその日に出来れば良かったのだろうけれども、なんだかんだでアルバムを売り出したのは関西のライブからだったし、在住の名古屋でのレコ発企画はつい先日になってしまった。
アルバムが間も無く完成しようかという時分から計画を練っていたがそれなりに時間がかかってしまった。だが、時間をかけた甲斐はあった。とても良い企画だった。
というわけで2019年7月13日、吹上 鑪ら場でレコ発企画『うちがわのそとがわ 第一回』を行った。
その前日、出演者である高野京介君(from東京。彼のブログは滅茶苦茶読み応えがある。読んで下さい)が名古屋に前ノリ、拙宅に泊まりに来た。
拙宅に友人が泊まるだなんて名古屋在住の友人知人でも滅多にない事だのに、妻は「高野さんにはとても興味がある」と二連泊を快諾。面白い事にアンテナが立っている女性だ。
僕も珍しいこの事態に大変興奮、企画前夜は飲み慣れない酒を飲んで轟沈、企画当日は入り時間ギリギリまで2人でハードオフ巡り(とは言っても起きてから割とダラダラしていたもんだから2店舗しかまわれなかったけど)をした。
なんて事ないけれど友人が少ない僕からすると、かけがえのない時間だったと思う。
さて、企画に話を戻そう。
白線の内側のレコ発企画自体については割と打ち合わせをメンバー間で重ねて、超マイペースな活動を重ねる我々ながら全員の意向を都度都度確認しながらこの日を迎える事が出来た。
当初こそ「折角バンド活動のみならず芝居や生け花や様々な領域で活動している連中の集まりなんだから色々な表現領域から素敵な人、団体に声をかけよう」という構想はあったものの、完成したアルバムを聴いてその出来栄えに「これは俺達、シンプルにバンドとしてわかりやすい=キャッチーな企画を行った方が良いのでは」という方向にシフトチェンジ。その結果ライブハウスでの演奏活動を通じて出会った、或いはファンである皆様にお声がけさせて頂いて四組の出演者で企画を挙行する事となった。
全員で意見を出し合って決めた僕達以外の三組ではあるが、企画中にニンマリと笑ってしまう程良い顔触れだった。
VE-20とエフェクター、それぞれを駆使して音を重ねたりディレイで飛ばしたり、ボーカルと鍵盤のユニットという形式さえ軽々と超越してみせるいとまとあやこ、クセになるボーカルと滅茶苦茶音の良いアコギ、それを強力に彩るエレクトリックギターのくビれ(個人的にこの日の一曲目はアコギもエレキも単音でリフを弾かれていて、その重なり方というか雰囲気が90年代クリムゾンチックで大変良かった)、MCも曲中の脚注めいたお喋りも面白くて会場も笑いに包まれるのだが、そのうちにその根底にある自己嫌悪とかそういう感情が突き刺してくる高野京介、そして僕ら。
どうですか、滅茶苦茶良いメンツじゃなかろうか。バラエティに富んでいながら、通じる何かを感じて頂ける4組になったのではないかと手前味噌ながら思う。俺ならこんな面子で観たい、が実現出来たのは企画した側としてはしてやったりである。嗚呼、超絶手前味噌。
この日の白線の内側、演奏開始と同時に樫山君が調子良いのを感じた。そりゃあ企画だもんな、バキッとキメたいよな。
それにしてもフロントマンのテンションが高いとかくも熱が入るのか、と思いながら演奏。
メンバーの演奏に影響されてばかりではいけないけれど、こうして良い形で結実するのはディスイズバンドマジック。
全曲指弾きに挑戦してみたけれどこのバンドではあっている気がする。
十数年バンド活動をしてきて今更だけれども、企画を主催してバンドに声をかけて出演者を確定して、宣伝してお客さんに来て貰って、という流れは真摯に取り組めば結果的に自分達の音楽を聴いて欲しい人達に届けやすいのでは、と思ったりもした。アウェーの空間でしのぎを削る尊さもあれど、折角企画を行うんだから。
出演者の皆様、ご来場頂いた皆様有難うございました。
企画名を提案したのは実は僕なのだが、わざわざ『第一回』と銘打ったのは二回目、三回目と続いていくようにという思いも込めてである。また面白い夜を作れるように尽力します。
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