はい、というわけでオレンヂスタ第7回公演『いかものぐるい』、全5ステージ無事に終演致しました。
ご来場頂いた皆様、関係者各位、有難うございました。
参加出来て、本当に良かった。良い経験をしたし良いご縁を一杯頂いた。
僕自身、今後の演奏に繋がる実感、明言し難いけれども、今後の演奏に繋がっていくであろう実感を得た気がしている。普段鳴らしている現場とは違った環境、そして違った取り扱われ方をした事により今まで以上に自分の出す音に客観的に立ち向かわざるを得なかった(それって同時にどんどん主観的な部分も見つめていく事だと思うのだけれども)のだけれども、音そのものがどのような作用をもたらすのかであるとか自分の音というものの質感であるとか、まあそういう事を考えた。
また音楽という枠からもう少し大きく表現物を捉えた際に、目の前の事象にどのように音で作用していくのか、そしてそれがどのような角度からなのかとか、そういう感覚を意識せざるを得ないシチュエーションだったので、いやこれが大変面白かった。
全部生演奏だったわけではなく、事前に作曲家さんによって録音された曲もある中でバンドアンサンブルが生音でそこに介在したり、或いはガツンと生演奏。「生演奏とは」みたいな部分は演奏陣でも何となく話し合ったし、それぞれが面白味を元手にした情熱を持って演奏に取り組んだと思う。
録音と生演奏が同じ作品中に存在する事で作品の音響も立体的になっていたようで大変嬉しい。作・演出のニノキノコスターさんには録音作品と生演奏の取り扱いについて明確な意思があるのは明らかで、千秋楽の翌日にその辺りの事を教えてくれたのだけれども(本番前に聞かなかったのか、って?いやいや、僕達みたいなのはただただ「よしやっておいでや」「アイサー!」つってガツンと打ち鳴らしてくれば良いのである。意味とか意思はその前に込めて貰っているので)いや、やはり面白い人が考える事はべらぼうに面白い。面白い人に声をかけて貰って演奏出来てこんなに嬉しい事はない。
劇中バンド『悪食プリン』も良いバンドになった。
都合5ステージで計5回「ライブ」をしたわけだけれども、どの回も二度と同じ演奏はなく毎回新鮮な気持ちで演奏が出来た。
ボーカルであるモケコを演じられた大野ナツコさんは私生活でもバンドを愛する俳優さんで、それと関係あるのかないのかわからないけれどちゃんとバンドのヴァイヴス感じながらやって下さっており、演奏ポジションの高低差こそ結構あれども(僕らは二階で大野さんは舞台上)きっちりライブの熱量を共有しながら演奏出来た。いやー大野さん素晴らしいですよ。今まで一方的に出演作品を拝見したりしていて勝手に怖い人だと思っていたので下手な演奏したら殴られるんじゃないかと若干怯えておりましたが(笑)。
芝居は勿論、落語に身体表現にオブジェクトパフォーマンスにアイドルにバンドに。
『いかものぐるい』はオレンヂスタが、そしてニノキノコスターさんが取り組んできた様々な表現を一気にぶち込んだ意欲作なわけでそういう時にバンドマンとしてお声がけ頂いて、演奏陣の人選も任せて頂いて一緒にあーでもない、こーでもないとやるのはもう本当に楽しさしかなかった。
姐さんの情熱にちったぁ報いる事が出来たんじゃないかと、勝手に思っている。
また、今回の座組では沢山の得難い出会いがあった。お会いするのは今回限りじゃないんだろうなあ、と嬉しい予感がある。
結局、借りを返そうと腕まくりして出張った結果、もっと借りを作って返ってきてしまったのである。幸せな事だ。
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