ツアー明けというのは気持ちがささくれだっている。理由は簡単。その1「蓄積された疲労」、その2「臨戦体勢なままの精神状態」、その3「楽しかった昨日までと比べて日常へ還る事への虚しさ」。
そりゃあ意味もなく苛々もするよ!人に醜悪な姿を晒すのはナンなので、練習後は大人しく家に帰宅。
時計を見ると午前3時過ぎ。肉体は疲れているものの、このままフテ寝するのも何なのでツアー前夜に発掘したゲームボーイ・カラーをスイッチオン。
今回今や懐かしの『ポケットモンスター 赤』をやるにあたって自分に課したルールが一つ。
「無駄にポケモンを乱獲しない」。
現在、3時間近くプレイしているのだけれども僕の手持ちのポケモンは最初にオーキド博士(僕が思うに、若い頃はそれなりにブイブイやっていたと思われるポケモン研究家。突然自分の夢を子供に託すマッドサイエンティスト)から貰った「ヒトカゲ」と、森を歩いていたら突然飛び出してきたピカチュウ(アニメでも主役級の扱いで、ついつい捕獲してしまったのだ)と、釣り人のおじさんに話しかけたら「500円で買わない?」と言われてホイホイ買った「コイキング」の3匹のみ。ヒトカゲは進化し、名を「リザード」に改め、その姿も若干凶悪なものになった。ピカチュウも無邪気な顔して電気袋とかいう物騒な袋からガンガン放電、目の前に立つ敵を屠っている。
ただな、コイキング、てめーは駄目だ。
コイキング、こいつに出来るのは「はねる」のみ。しかも「はね」たところで何も起きやしないのだ。リザードが倒れ、ピカチュウが倒れ、こいつだけが残ったとしても何も出来ない。相打ちすら出来ないのだ。殺されるのを待つばかり。それでも頑張ってレベル15まであげた。「たいあたり」を覚えた。喜び勇んで使ってみる。・・・・弱い!
圧倒的な弱さだ。涙が出るくらい弱い。これじゃあ戦力にならないよ!
じゃあ何故性懲りもなくコイキングを育てているのかと問われれば、ゲーム経験者ならご存知であろう、この「コイキング」、育てていくと「ギャラドス」という凶悪で強いポケモンに進化するのである。涙を飲んだ日々は終わり、一気に戦力になってくれるのだ。中国の伝説を具体化したようなポケモンである。
というわけでコイキングを必死で育てていたら朝陽が昇っていた。
気持ちもクサクサするというか、ゲームボーイの小さい筐体を握り締め画面を見つめていたので、何だかひどく疲れてしまった。良い気晴らしにはなったんじゃあないかな。
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