ノイズバンドでの初名古屋場所。

好き放題やる人間に休む暇等ない、17日は栄TIGHT ROPEでノイズバンド耳栓犬畜生にて演奏。
初ライブが遠征先の大阪だったので名古屋では初の演奏である。
前回のライブからレコーディングも行っており、他メンバーはそれ以外にもミーティング=飲み会を行っていたのだが、舟橋仕事やら他案件で参加出来ず。この日の演奏は久しぶりの合流という事もあって楽しみだった。

出演バンドが多いイベントというのはその中身にしても「過ごしやすさ」みたいな観点からも(それは聴く側の「お腹一杯度」みたいなものにも関わってくるからであろう)賛否両論分かれるだろうが、中身という意味ではこの日は大変充実したイベントで流石バンドを愛する静かな男、ちょこたん氏。見た目からして完全に年上だと思っていたのだけど(失礼!)、実は年齢そう変わらず。
体力の続く限りフロアで観ていたのだけど、どのバンドもそれぞれ強い個性を持っていつつも全体で不思議な統一感があるという不思議な感じだった。ナイスチョイスちょこたん氏。

だけどもさちょこたん氏、名古屋バンドが唯一僕達だけだっていうのには思わず笑っちまったぜ。
しかもそんな僕達にしても初名古屋という。その心意気に応えたい、と思ったかどうかは定かではないけれども、変に気負う事のないメンバーが揃っているのに出番前はちょっとしたそれぞれの気合いみたいなのを感じたり、した。
このバンドのライブはどうなるか本当にわからない。というかわかる気がしない。いや、この言い方は正確じゃないな、どのバンドだってやってみないとどうなるかわからない、そうじゃないと自分にしてみれば意味がない(結果がわかっている事をやるには人生は短いのではないかと思うのだ)、そうでなくて、そうだこれだ「どこを目指すか決まっていない」。
人前で演奏する際は目標地点というのがそれぞれのバンドであり、それは勿論自分達にとって高水準である事は大前提なのだけれども、要するに「興味深い」とか「面白い」とか「楽しい」とか、そういう「ポジティブな感情」と括ってしまえる言葉の中にも差異は確かにあるよ、みたいな違いと同じような「目指す目標地点の違い」が各バンドにはある。
犬栓耳畜生での演奏はその「目指す地点」を探しながら掴みに行くような、そんな感じである。目指す地点が見つからないのはそれはそれで面白い、という感じもあるのだけれども、演奏後の感想は何となくメンバー間で一致しているから、きっと一緒に音楽を演奏する間柄として相性は悪くないのだと思う。
兎に角オープンマインドで、迷っている事さえも明確に打ち出す事が出来ればそこからドラマが生まれ得るのが表現として自分を投げ出す事の面白さである。
この日の演奏も迷走と混乱と思慮深さと興奮と丁寧さと復活と、そしてノイズがそこにはあった。
全3トラック25分、100円の音源も完売(!)しており、バンドの一員として素直に嬉しい。
大○優子似のボーカルギターは物販でCDを買って下さったお客様にキスをしていた。「どこでもするよ!」とは言うものの、ほとんどのお客さんが照れちゃって手ばかりだったようだけど。そりゃあ面食らうよね。CD買ったらキスされるなんて。
どんどん変化するバンドだと思うので、それもまた楽しい。


この日の演奏に於けるメモ
・演奏中に「自分が演奏を止める事によってどんな作用が起きるだろう」という事を意識した上で演奏を止めてみる、するとそこに明瞭な変化が起こる事を認識出来る。止めてみる、事で同時に普段「鳴らしている」事が理解出来た。
・大音量(このバンドでの大音量は文字通りの大音量である。耳の奥が痒くなるくらいに)での演奏に対して耳栓を装着してみるテスト。確かに快適であり、サスティーンがなくなる分アタックが強くなるという過去の実感通りの効果がこのバンドでの演奏でも感じられた。同時に変に臆する事なく思うがまま、自由に弾く事も出来るようになった。ただ同時にどこか感情的な部分に膜が張るような瞬間も。100円均一の耳栓以外でも試してみたいところ。

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