「そうだ、京都行こう」と、どこぞの鉄道会社の掲げたキャッチコピーではないけれども、突発的に京都に旅行へ行った。
妻の職業は小学校教員であり、今年は6年生を担任している。
年度当初、6年生の担任を受け持つ事になった際から聞かされてはいたのだが、秋口には修学旅行がある。
僕が小学生の頃の修学旅行の思い出なんざ遥か記憶の彼方ではあるのだが、修学旅行先はその頃から変わっていないらしく京都、奈良だそうだ。
先日、下見という事で日帰りで京都奈良へ赴いた妻だったが19日金曜の夜、帰宅すると「京都へ行きたい」と言う。
話を聞くと下見の際にもっとじっくり見聞したい箇所があったそうで、仕事熱心な彼女は職業意識の高さから自費を使って修学旅行の下見に行きたいとの事。
「じゃあ、今から行く?」と口にしたのは明らかに金曜夕方のテンション由来である。
金曜夜はこれから迎える週末に向かってテンションが最高潮であるし(いくら仕事が好きとは言えどもそれでも休日はテンションが上がるものだ)、どうせ行くなら早いうちから動いた方が面白そうだ、と思ったのであった。
妻から却下されるだろうと半分冗談で口にしたのだが、意外にも好リアクション。
妻と娘と3人で、一泊一部屋5000円をきるビジネスホテルも予約出来た。駆け足でいく弾丸旅なのだ、宿泊場所なんて落ち着いて就寝出来ればそれで良い。ネット予約をしたら最低限の荷物だけ持って、車で京都へ向かった。
途中のサービスエリアで「いやあこんなの楽しいねえ」「ワクワクするねえ」だなんて言いながら夕食をとった。
実際、3人とも普段ではしないであろう衝動的な旅行にワクワクしていた。
金曜ロードショーでは『となりのトトロ』が流れている。娘が夢中になって観ている間にホテルに着いた。
ホテルに着き、部屋のユニットバスでシャワーを浴びて早々に就寝。
翌朝、ホテル一階のブュッフェで朝食。
豆腐やら蕎麦やら、京都ならでは感のある和食バイキングでこれがまた美味い。ビジネスホテル、侮りがたしである。
食後は妻のリクエストで清水寺へ。市バスを乗って行った方が良さそうだとの事で市バスで向かう。
暑い中、清水寺を散策するのは汗だくになったが、楽しかった。
前回清水寺へ来た時は妻と結婚後、娘が生まれる前の事だ。
白線の内側の京都遠征にかこつけて京都旅行をねじ込み、2人で京都散策を楽しんだのであった。
娘が1人増えた我々一団、賑やかさが違う。
なんだかんだ娘も楽しんだ様子。清水寺付近にあるすみっこぐらしの特設店でお土産を買った。
京都の目的は達したので車で奈良へ。
東大寺のバスロータリーから南大門まで歩いて何分かかるのか計測したい、と非常にニッチな妻の希望を叶えるために東大寺へ向かう。
東大寺といえば鹿が有名だが、ありゃあ凄いね。鹿せんべいを買っている気配を察して群がってくる。遠慮容赦なくたかってくるもんだから恐怖さえ感じた。
空腹を感じたのでうどん屋へ。落ち着いた雰囲気の昔ながらのうどん屋だったのだが、ここ最近で1番美味いうどんを食らった。思えば僕はうどんは関西風の出汁が好きなのであった。今度から関西に来たらうどんを欠かさずに食おうと思った。
東大寺で大仏様を見たのはそれこそ小学生ぶりだろうか。スケール感に圧倒される。
素朴な疑問として「いやどうやって建造したのか」と問いたくなる程の圧倒感。
昔の人は凄いものを作られた。
お土産を購入して名古屋へ。
目的だけ達するためのコンパクト旅であったが十分楽しんだ。安価なビジネスホテルを金曜夜に予約して土曜朝から楽しみ、夕方には帰路につくという行程、ちょっと癖になりそうだ。