人生初のノイズゲート BOSS NF-1購入。

久々の平日の休暇である。
妻と娘を送り出し、朝食を済ませ気になっていた映画を途中まで観る。
映画が期待していたよりも面白くなかったので飽きたタイミングで妻から頼まれていた郵便物の差し出しに近所の郵便局へ行き、そのまま1000円カットで髪の毛を全体的に1センチ切って貰い、銀行へ向かってこれまた妻からの依頼を片付けた。
掃除、洗い物、洗濯は既に済ませてある。
家の片付けや細々とした用事はなくなる事なんてないのだけれど「割りかししっかりとやったな」と自分に免罪符を与えてスーパー銭湯へ。
湯船に浸かるタイミングで時計を見ると11時半頃である。実に家を出てから1時間と少し。順調に動いている。
サウナと水風呂の交互浴を何セットか繰り返し(途中でミストサウナを試してみた。気持ちは良いのだが発汗しているのかいまいちはっきりしない)恍惚としたところで退出。
その気になればまだまだサウナを楽しめたのだが、次の目的地も決まっているのでなんだかんだ、1時間ちょっとであがってしまった。

小腹が減ったのを感じながら上前津へ。
行きつけの中古エフェクター屋がこの一連の外出の最終目的地である。数日前にSNSでお店のアカウントがちょっと気になるペダルの情報をツイートしていてそれをチェックしたかったのと、店内の写真にLine6のDL-4が映り込んでいるように思えたのでそれの視察も兼ねて、である。
DL-4は以前所有しておりなんならメインのディレイペダルだったのだが機材を一新しようと色々と手放した際に売っ払ってしまったのだった。
だがあれは良いペダルだ。何より今はルーパーとしての機能に再度魅力を感じている。以前は然程使わなかった機能だが、色々と後発のルーパーが販売されている今でもあの逆回転と倍速機能とワンショット再生等、愉快な機能が搭載されておりかつそれがアクセスしやすいように盛り込んであるペダルは他にないのではないか。
当時はルーパーをそこまで使う機会こそなかったものの、近頃の演奏ではああいう機能も使う機会がありそうだし一度腰を据えて触ってみたいものだ、と思った頃にはもう欲しくなっている。
幸い妻からは許可を貰っているので値段が手頃であったら買ってしまおうと思っていた。
なんて事はない、視察だなんて言いながら目的は立派に買い物なのである。

さて高揚感を感じながらお店の階段を登り、最早顔馴染みとなった店員さんと挨拶を交わしながらショーウィンドウの前へ。
あれ、DL-4、ない。
僕の見間違いか、それとも売れてしまったのか。
どうやら今回もご縁がなかったらしい。手頃な価格のDL-4、ニアミスはあるもののなかなか対面出来ない。まあこちらは気長にいこうじゃあないか。
他に何か、と視線を動かすと店員さんが「舟橋さん、こないだのあれ、こっちにありますよ」と声をかけて下さった。
そうだった、目的はもう一つあったのだった。そしてそちらはどうやらご縁があったらしい。

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ノイズゲートというペダルは気にはなっていたものの、それこそなかなか手を出すタイミングがなかった。音を出す、音を変える事が目的のエフェクトペダルで「ノイズを消す」っていうのはどうにも消極的な感じが否めないし、わざわざそういう機能にお金を沢山払う程、ノイズが少ないという事に魅力を感じなかった。一つには「ノイズも含めて音作りだろう」という格好をつけた矜持が自分の中にあったのと、もう一つは「そんなの足元に置くくらいならファズなり気の利いた空間系なり、そういうのを置きたいわ」というこちらは好みの問題でノイズゲートというペダルはいつまでも「気になるアイツ」どまりなのであった。
MXRのノイズゲートとかなんなら欲しかった時期もあったのだけれども。
そんな中、馴染みのこのお店が数日前にSNSで一台のペダルを画像付きで発信していたのであった。それを見た瞬間に物欲が刺激された。調べてみると機能的にも、自分の求めるものとして十分その期待する役割を担ってくれそうなのであった。
BOSS NF-1 ノイズゲートである。

まず、見た目が素晴らしい。40年以上形が変わっていないこの工業製品として「最初から完成されていた」ルックスに無骨なカラーリング、そしてインパクトのある2ノブ仕様。
漢らしい、だなんて今の時代死語かもしれないがそういう形容詞を贈りたくなるような思い切った、しかしその実必要十分なコントロール二系統なのである。
でもまあ、やっぱりペダルは機能美の部分が大切だ。自分の役に立たなければどれだけ見た目が格好良くても購入はしない。けれど機能について調べてみて「ノイズゲートとしての機能は発音時"以外”有効」というその効き方を知ってこれはひょっとすると自分にあっているかもしれんぞと思ったのだった。
僕のエレクトリック・ベースギターは「もっとローが欲しい!」という僕の要求に応えるべくLOVELESS GUITAR 岡田さんの手によって配線が改造されている。岡田さんの言葉を借りるなら「出力倍!ノイズも倍!」状態であり、その恩恵として大変ゴッツいローが出るのだけど出力が高過ぎるのとノイズが結構、のる。
出力についてはパッシヴボリュームをバッファを通した後に接続して信号レベルをまともなレベルまで落としているのだが、ノイズについては弦がコーティング弦だからか弦アースも落ちず、苦肉の策としてレコーディング時はブリッジから導線で人体にアースを無理やり落として解決している。
練習の時もたまにモジュレーションディレイのモジュレーションの速度に合わせて「パッ パッ 」とノイズがアンプから聴こえたり、兎に角ノイズ過多である。
まあしょうがないか、慣れるだろと今までやってきたけれども、発音時しかノイズ除去機能が働かないのであれば演奏の際に出音の変化に悩む事もなさそうだし、あれっこれってひょっとして凄く理想の仕様なのでは?と思ったというわけだ。
試奏用のジャズベースでアンプの音量を大きめにしてアンプから僅かに出るノイズは果たして消音されるのか、と実験したところ見事に無音に!
これは凄い。

NF-1の取扱説明書には「ノイズを追放します」と結構仰々しい事が書いてあるのだけど成る程、これは確かに『追放』だ。
ただあまりにも強くかけるとサスティーンに影響が出る。「これ以上小さい信号をノイズと認識して消しますよ」という割り切りの良い動作原理だから当然だろう。ただ、そこまで音を伸ばす瞬間があるかどうかは疑問だしオンオフ出来るんだからそういう時はすかさずオフにすれば良いだけの話だけれど。
自分のシステムの中のどこに組み込むか、現在色々検討中。
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