14日夜、孤独部のかしやま君の家へ単身お邪魔する。
山田君(不完全密室殺人)が名古屋在住だった頃に住んでいた廃墟のような、それでいて大家さんが素敵なマンションのすぐ近くにかしやま君が住むマンションはあった。久しぶりにその辺りを自転車で走ったもんだから妙に懐かしい気持ちになったよ。
「荒れてますよー」という割に全然綺麗な居心地の良い部屋で、アイスコーヒーを飲みながらさし向いで色々な話をした。孤独部の今後の話、かしやま君のやりたい事、やろうとしている事、孤独部に対する色々な気持ちを聞かせてくれたのだけど、やっぱり彼は面白い。
「バンドがやりたくて孤独部を始めた」という、もうそのスタートの時点で発想が面白い彼はあくまでストイックに、そして冷静に俯瞰的に自らの演劇ユニットを見つめ、その可能性や面白さを信じているのだった。
実は、僕もそうなのだ。僕も面白いと思っている。最初はお手伝い感覚で、何であれば一度きりになるかと思われた孤独部の演奏だけれども今現在の気持ちとしては僕に出来る事は可能な限りやりたいと思っている。ベースギターを握って10年、ライブハウスに出演するようになって8年程の若輩ではあるけれども、演劇という芸術表現から音楽という芸術表現の領域に「殴り込み」をかけてきた彼に対して僕が手伝える事って、きっとあるはずなのだ。そして、これは確信しているのだけれども僕自身のためになる、それっていうのは。
気がつけば早朝4時半をまわっており、その日のイベントの一つ、大丸ラーメンへかしやま君と向かう。街はもう明るい。
大丸に着くと友人達が既に並んでおり「やっぱり皆好きなんだなあ」とまるで自分の事のように嬉しい気持ちになる。きっと友人達もそうだろう。談笑しながら並んでいると、遠方の友人より入電。お忍びで大丸ラーメンを食べに来たのだ。バンドマンである彼から「ひょっとしたら今夜行くかも」と連絡は貰っていたのだけれど、まさかツアーの中途でもなく、本当に大丸を食べるためだけに名古屋に来るとは思っていなかったのでこれには胸が熱くなった。
「今までずっとビビッてたけど、もう食べられなくなると聞いたら食べたくなって!」
幸いにして、その日の営業最後のお客さんが僕達であり、最終的に店内は大橋さんと僕とかしやま君、友人二人に遠方の友人とそのお連れさんの6名となった。大橋さんも上機嫌で色々お話して下さる。
痩せた大食らい、かしやま君が替え玉を頼んだら何ともう一杯出てきた。
「良かったら全部食べてって」と練り物も肉もトレーごと出てくる。かしやま君VS大丸ラーメンの本気、ここに開戦。
遠方の友人達も相当楽しんだ様子(スープまで完飲!)で、店の外に出ると今池の街はすっかり目を覚まし、通勤途中と思しき方々がお店の前を行き来していた。かしやま君は結局大丸2杯にもやし、そして肉を食べご満悦な様子。
「流石にこれはキツいですね」
それで済むのか、って正直思った。友人達を見送り、帰宅。就寝。有意義な一日だった。
アナルにレッドブルを流し込まれる、という何とも珍妙な夢を見て複雑な気持ちの中、起床。
この日は今池HUCKFINNにて行われたBUGY CRAXONE企画「COUNTERBLOW023」に出演。
出演はBUGY CRAXONE、Scars Borough、JONNYの3マン!
不思議な気分だ、まだライブハウスに出て間もない頃にCDを買ったバンドの企画に自分のバンドが出演するっていうのは。年齢を重ねてバンドを続けていくとこんな想像もしなかった事があるっていうのなら、僕はもう一生辞められないなあ。
そしてBUGY CRAXONEは皆さんとても感じの良い方々だった。どのバンドのリハーサルもしっかり立ち会ってらっしゃって「ああ、主催者の鑑!」と胸を熱くした。
BUGY CRAXONEのこの日のサポートドラム 高橋さんと大丸トークをさせて頂く。「今回が多分食い納めになるから出来れば今夜、行きたいなあ」と仰る高橋さんに思わず「ご一緒しましょう」と口をついて出た。
だって高橋さん、お話していてすぐにわかったんだけど物凄く優しい素敵な方なんだもの。バンドマンとしても人間としても僕は後輩だけれどさ、そんな先輩とご一緒したら素敵じゃないか大丸ラーメン。目の前の人と大丸を一緒に食べたら、絶対に楽しいっていう自信があったのである。
「あ、じゃあ行こうよ!」
凄いや大丸ラーメン。その後も続いた大丸トークで、完全に高橋さんと僕の胃袋、大丸を待ち焦がれる感じに。
開場、開演まではあっという間。
JONNYは一組目の演奏。リハーサルで随分と興奮してしまって、その後もその日出がけにテンションを上げるために観てきた『博士の異常な愛情』ごっことかで「このままいつもの気持ちでやったら絶対に暴発する」と思ったので落ち着いた演奏を心掛けたのだけど、結果的にこれが良かった。全てをなぎ倒すような演奏も僕は好きだし、それで伝わるものって絶対にあると思うのだけど少しだけ落ち着いて演奏するのも悪くはない、とそんな風に思った。フロアの雰囲気も初見の方が多かったにも関わらず、良い雰囲気だったと思う。
Scars BoroughもBUGY CRAXONEもフロアを湧かせていた。お二方のライブを観て、いやつくづく凄い3マンだなと再認識したものである。
BUGY~、本篇最後の曲は「ハレルヤ」。何て素敵な曲だろう!
諸々の事情で打ち上げはなし、って事でメンバーと餃子の王将 今池店へ。
ホテルに戻られる際に「また後で連絡する!」と言って下さった高橋さん。男同士の約束、否、大丸ファン同士の約束を果たすため、控え目にしておいた。
王将後にHUCKFINNの前で柴山社長(ONE BY ONE RECORDS)とお喋り。最近この二人になると会話の半分くらいは大丸の話だ。あの人も本当に好きだものね。
帰宅して雨に降られた体を湯船に放り込んで、頭をガシガシ乾かしていると高橋さんより入電!遂にその時がやって来た!
大丸の近くまで行くと、高橋さんとベースの旭さんまでも!
これ以降の様子は旭さんも御自身のtwitterアカウントで実況されていたけれども、本当に中身の濃い夜。
少し機嫌の悪い大橋さんの顔色を伺ったり、本当に印象深い夜だ。
一時は雨も止んだものの、行列に並ぶ頃にはまた振り出した雨。これには参ったなあ。金曜日の夜であるからして行列が長くなるのは当然といえば当然だけれど、雨だと体の体温がどんどん奪われる。2時頃に大丸の近くで高橋さんと旭さんと落ち合って、入店したのは5時近く。
「もう作れないから!ごめんなさい」と入店目前で言われ一時はどうなる事かと思ったけれども、無事誰一人として脱落する事なく大丸へ入店、先輩方と大丸ラーメンを啜る事が出来た。
長時間雨に降られながら並び、冷えた体で食べた大丸ラーメンは最高の味がした。ここ最近で一番美味しく感じた。いつもは少しキツくなってくる後半戦もなんのその、ペロリと食べる事が出来た。
待つってのも、スパイスの一つなのだね。
いや、それにしても先輩お二人と大丸ご一緒出来て良かった。名古屋の大丸ファンとして、翌朝も早い中睡眠時間と体力を削ってまで大丸を食べに出てきて下さった事が純粋に嬉しいですし、僕自身も素敵な思い出になりました。
多幸感の中、帰宅。就寝。
ちなみにこの二日間の大丸二連続で2kg太りました。
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