前回の模型制作は大いに挑戦し、そしてその結果大いに満足いくものとなった。
完成したその姿が満足いくものだったからという事も勿論あるだろうけれども、この胸にある満足感の正体は紛れもなく『挑戦した成果としてのもの』だろう。
やった事がない事を悪戦苦闘しながらもやってみて、その成果が一定以上の納得出来るものであったが故に達成感と満足感を得る事が出来たのだ。
自己実現は、人生に於いて有数の中毒性が高い快感だと考える。
だから人は或いはスポーツで自己記録を破る事に注力し、或いは最高傑作を上回る作品を作らんと創作意欲が尽きる迄作品を作り続け、何度も「死んで」「死ぬ事によって」攻略法を見出していく難易度の高いゲームに熱狂し、或いは模型制作をするのかもしれない。
模型制作という「一定期間注力する」事を「積み重ねて」「目的を達する」行為の虜になりつつある僕は、またもやBO〇K OFFに足を運んで中古のキットを購入したのだった。
今回購入したのはNITTOこと日東科学のHEINRICH。
僕はキットを購入すると先人達の作例をお手本にする(インスピレーションを受けるために、だなんて大それた事は言わない。ひとえにこの行為は人様の良いとこどりをしようという姑息な気持ちの顕在化である)ためにインターネットの検索機能を使うのだが、今回は『マシーネンクリーガー HEINRICH』とか『NITTO HEINRICH』とかそういう検索ワードで検索しても不思議と作例に出会えなかった。
過去に作ってきた機体=キット達と比べて圧倒的に数が少ないのである。これ如何に、と調べてみるとそもそも「HEINRICH」は「Panzer Kampf Anzug」(直訳するなら戦車スーツ、的な意味になるだろうか)ことP.K.Aの中のH型、しかもH0型からH1型に移行した直後の最初期のH1型の呼称という事らしい。
それならばと「NITTO P.K.A」で検索すると出るわ出るわ。大変な刺激を受けたのだった。
さて今後の為にメモ。
P.K.Aの始祖たるH0型とその後継機であるH1型は設定上はエンジンの違い。
見た目の差異としては胸部に空気の取り入れ口=エアインテークがある(=H0型)、ない(=H1型)という点と肩アーマーが追加されており腰の部分のアーマーが大きいのがH1型との事。
肩アーマーがあり、腰のアーマーが大きいというH1型の特徴を持ちながらエアインテークを有するのがH0型からH1型に移行したばかりの最初期のH1型すなわちHEINRICHであるという事のようだ。
座学終わり!
どんな感じに仕上げるのか/仕上げたいのか何となく見えてきたので早速組んでいく事にする。
というわけでまずは洗浄。
洗浄しつつ「こんな部品があるんだ」とワクワクしたりしている瞬間である。
しかし早速失敗。
はやる気持ち故か、左腕の関節部分を前後逆さまに取り付けてしまった。これでは腕が逆間接になり、反対に曲がってしまう。
気付いたのがきっちり接着剤で接着した後だったので、パーツをバラバラにして組み直すのもダメージが大きそうだ。
(どうせ思うようにポーズが取れなかったら腕をぶった切って関節をパテで構築、シーリングするつもりだったしね)と自分に言い聞かせる。
慌てず騒がず冷静に誤りを受け入れる事が出来た。
ホラ、経験が人の肝を据わらせるのだ。
この日はここまで。