舟橋、『エルデンリング』にハマる。


最近めっきりハマっているゲームがある。
『エルデンリング』である。

『エルデンリング』は2022年2月が発売なので1年遅れで始めた事になるのだが、いや、面白いらしいとは聞いていたものの正直想像よりも遥かに面白くて僕はたまげてしまったのであった。
陰惨なゲーム愛好家として『ラスト・オブ・アス』(中年男性が少女を守りながらゾンビパンデミック後の荒廃した世界を旅する話)とかその続編の『ラスト・オブ・アス part2』(滅茶苦茶賛否が分かれた続編)とか『デイズ・ゴーン』(これまたゾンビパンデミック後の世界をならず者のバイカーになって旅する話)とか楽しみ、特に『ラスト・オブ・アス』はその話のドラマティックさと映画を何本も観たかのような心の残り方に「こんなに感動するなんて」とゲームに対する概念を覆された。
で、ゲームに興じる事に対してこれまで以上の熱量を感じるようになった僕が次に遊ぼうと決めたのが『エルデンリング』だったわけである。

遊ぶ前から「滅茶苦茶死にまくるダークファンタジー」だと聞いており、ぶっちゃけ少し逃げ腰ではあったのだがゲーム狂いの友人の「最高に面白い」というお墨付きで購入に踏み切ったのであった。
で、結論からいうとどハマりした次第である。

プレイヤーは褪せ人(あせびと、と読む)というその世界に呼び出された存在となってその世界の王を目指して広大な世界を旅するわけなのだが、ファンタジックかつ暗い世界観がまず好み。登場人物は一般人は皆疲れてるし小鬼はすぐに殴りかかってくるし、音楽も暗い。
で、滅茶苦茶広大なマップにはそこかしこにダンジョンがありほぼ例外なく巨大で強いボスがいやがる。
このボスの攻撃たるや2、3発も食らおうものならすぐに死ぬし、何ならその辺を歩いているザコ兵士みたいなのも3人くらいに囲まれたら斬りつけられまくって主人公は簡単におっ死ぬ。レベル上げという概念はあれども、死ぬとそれまで稼いだ経験値は無駄になりかねず、こまめにセーブポイントで主人公の強化をしないといけない。では強い武器や頑丈な防具はというとこれまた強い敵を倒して手に入れたりする事になるのでそう簡単に村とかで買える代物ではない。というか、村がない。旅の行商人はいるにはいるが物凄く強い武器を売ってくれるわけではない。

では何故、そんなにスパルタ気味のゲームにハマったのか。
スパルタ具合が絶妙なのである。数発攻撃をもらうだけでこちらが死ぬボスも、死んでいくうちに「あれ、こうしたら勝てるんじゃないか」と突破口が見えたり、よく相手の動きを研究して臨めばギリギリ撃破出来る位の強さだったり、セーブポイントも絶妙な感覚で配置されていたりするのだ。そして何より「自分自身がゲームに費やした時間は、たとえ主人公が稼いだ経験値が0になっても残っている」のである。確かに主人公は連続して死ぬ事で経験値を失う。だけども何度も死んで体に刻み込まれたボスの動きは自分自身の経験に残る。それによってボスを撃破する事が出来る。
そして報酬として強い武器が手に入る。

この、絶妙過ぎる難易度設定が僕を虜にした。
頑張ればクリア出来る、人生と同じだ。
諦めたら、投げ出したらどうしようもなくなる。そこまで積み上げたものが無駄になる。
ゲーム開始当初から物凄く強い敵が現れる。10回程殺された後に気がついた。「逃げるしかない」と。
「今じゃなかった」のだ。いずれ必ず、奴を倒そう。
人生と同じだ。今じゃない、そんな瞬間がある。だけどもいつかは乗り越えてみせる。
『エルデンリング』は広大なマップと美麗な風景、そして絶妙な難易度によって様々な事を感じさせてくれるのであった。