
白線の内側、7月4日のライブに向けての最後の練習である。
演奏に参加出来ない金森君の代わりに梶藤君(26時)を迎えての特別編成故、普段なら「本番の集中力を以てして閾値を越えん」という気概でどうにかしようとするところをちゃんと緻密に組み上げていく演奏を心掛ける。
いや普段から相応に緻密にやってるつもりではあるのだけれども、金森君と瀬乃メンバーは演奏をどんどん自由に発展させていくので緻密さ半分、その場でどうにか半分という気概で臨む必要が(少なくとも僕の中では)あるのだよな。
同じコード進行だったり同じフレーズだったりを演奏する前提でも当日のバイオリズム等で変動するのが演奏行動だというのに、その演奏内容さえも変動するのだから(瀬乃メンバーはジャズを演奏してきた人でもあるのでそういうのは当たり前の人なんだろうなと思う)良い意味で油断ならない。
しかしながら今回は梶藤君を代打として迎えての演奏である。メンバーの1/4が変わるというのはそりゃあ大事である。
呼吸とかこれまでの蓄積でどうにかその場で演奏を構築してきたところ、そういうわけにもいかないのだ。
緻密に緻密に構築していこうと思うのは当然の次第なのであった。
しかしながら改めて金森君のドラムを『分析』しようとすると実に個性的なドラム演奏なのだった。
「多分ここはリズムが入ってくる予兆としてリズムが入ってきてるんだよね。何言ってんだ俺」みたいな事を何度か言ったし、音楽を言語化する事がアカデミックなレベルで出来てしまう瀬乃メンバーでさえも「多分こうなんですよ。金森さんにしかわからないですけど」みたいな事を言ったりする程なので余程の事だろう。
一方、梶藤君も凄いのが金森君の演奏を踏まえてちゃんと梶藤君のドラミングで返してくれるところなのだった。
梶藤君のドラム演奏は記名性が高い。演奏を聴いて「ああ、この人らしいなあ」と思える演奏をする人である。
リズムの解釈もちゃんと出来るけれども不明瞭だったりあやふやなものを解する懐のデカさも持っており、かつそこに自身の(音楽的な)言語感覚で臨み表現をする演奏家なのである。
そんな梶藤君を以てしてもスタジオの予約時間一杯ギリギリまで練習を重ねる程に我々は『今回の4人の演奏を構築する』事に執心した。
「あとは当日(までの時間も含めて)の集中力で昇華出来るね」というところまで構築してこの日は終了。
さてはて一体どうなる事やら、楽しみで仕方がないのであった。