11日の話。

はい、で11日(日)の話ね。時系軸が行ったり来たりで申し訳ない…。

この日は犬丸ラーメンとJONNY、2つのバンドが違う会場でダブルブッキング。幸い犬丸ラーメンの営業時間が昼過ぎからで、JONNYが参加するThe Wellingtons来日ツアー公演は夜なので移動さえどうにかすればどちらも参加出来るだろうという事でこの日は異例のダブルブッキングとなった。毎回犬丸を出店する際は体力的にも時間的にもハードなのは何故だろう…。

さて、当日。午前9時半に起床、河本君が迎えに来てくれ、各種機材、材料を用意してシン君と3人でDAYTRIVE/TRIM入り。3人とも前日鶴舞公園ではしゃいでいたので前日の疲れ、抜けきらず。前夜別れ際に「じゃあ仮眠をとってきますー!」と別れたスタッフ ヤギさん達とDAYTRIMにて数時間ぶりの再会。箱のスタッフさん達は皆、帰宅せずに今日を迎えたらしい。漢、だな。

というわけで「OTO no MARCH 」にて犬丸ラーメン、出店!

主催者わかめさんから「相談があるんだけどさー」っとお話を頂戴してから数ヶ月、本当に毎回思うんだけど準備に時間かければいいのに直前になって慌ててやるもんだからシン君に負担かけたりバタバタするんだよな。でも泣いても笑っても今日が最後!麺45玉、30食分の特注麺に3キロ分の豚バラ肉、大量のモヤシにキャベツ。何だかんだでバンドの機材搬入より犬丸の機材/材料搬入の方が大変ではあった。

今回のイベント会場はDAYTRIVE/TRIMの2会場。DAYTRIVE側はステージにてバンドが演奏する所謂「ライブ会場」、TRIM側は放射能にまつわる資料展示及び、模擬店出店。

我々、DAYTRIM及び主催者わかめさんの御好意でDAYTRIMのドリンクカウンターを即席店舗として使用させて頂く。ガスコンロ及び冷蔵庫に各種調理器具も使わせて頂いて大助かりだ。

毎回毎回の事なのだけれども、シン君が恐ろしく手際良く準備を薦めていく。

「シン君シン君、僕何やろう?」

「あ、じゃあ野菜切ってて下さいー」

数分後

「あ、舟橋さん、これ切り方違いますよ」

「え」

全く、使えない男である。申し訳なさを噛み締めて“本番”は全力でぶつかる事を決意。

開店予定時刻の2時がやってきた。果たして仕込みは…まだやっていた。それもそのはず、本家に倣って開店時間も杓子定規にやる必要はないだろう、という事でここの遅延は予定の範囲内。しかしそろそろお客さんも集まってこられるだろうという事で「犬橋さん」に衣装チェンジ。こうなると身が引き締まる。やっと本領を発揮する時が、来た。

調理諸々をシン君が担当するならば、僕の担当はズバリ「犬橋さん」。本家店主 大橋さんの感じを少しでも味わって頂こうとパフォーマンスし続ける事だ。頭の中に大橋さんを思い浮かべ、完全になりきってラーメンを提供する。シン君のラーメンと僕のパフォーマンスで、はじめて犬丸は犬丸としてのアイデンティティを確立するのだ。

開店!!

シン君が簡潔かつ的確な指示をくれ、それで調理の進行具合を確認しつつパフォーマンス。わかめさんから「前評判の段階で皆、相当食いついてるよ。いつもより多めに材料用意した方がいいかも」と教えて貰っていたのだけれども(実際いつもより多く杯数を出せるように食材を用意した)、内心不安ではあった。材料が大量に残ったらどうしよう・・・。しかしいざ開店してみれば順調なペースでお客さんが来て下さる。開店20分後には5杯のラーメンを提供する事が出来た。

ここで、時間がやってきたので犬橋さんは一時休止。衣装を脱ぎ、シン君に後を任せると自転車に跨って栄 Party’zへ。JONNYのリハーサルである。party’z、ダイナー形式の店内奥に、ガラスで仕切られたイベントスペースがあるのだけどもこれが実に洒落ている。イベントスペースはガラスで区切られているんだけども、これまた洒落てるよWATA社長!ベースアンプから飛び出る地鳴りのような低域の飽和感をどうにか捌いて、再び新栄へ。

今度は犬丸!

犬丸店舗に戻ると、シン君は野村さん(レッサーホース/犬丸サポートメンバー)と二人で必死にラーメンを提供してくれている。衣装チェンジを済ませると、店に復帰。ここからハイペースで提供していかねば、イベント時間中に用意した分だけのラーメンを提供するのは難しそうだ。次に自分が抜けねばならぬ時間を頭の片隅に入れつつ、パフォーマンス再開。

やはりというか意外にもというか、やはりパフォーマンス担当の「犬橋さん」がいた方がお店に活気が出るのか、集客力が違うそうだ。シン君曰く僕が抜けていた間より早いペースで、ラーメンが売れていく。太平洋不知火楽団 大内君、雨先案内人 齋藤君をはじめ、出演者の皆様も食べに来てくれて楽しい!

時間が来たのでマウンテンバイクで再びParty’zへ。

精神集中の後、出番。飽和感の凄い低域をどうにか乗りこなす。こういう演奏も面白いものだ、何ていうか自分の音を力でねじ伏せるというか、そういう気概が湧いてくる。僕は観れないけれども、日本人として精一杯の歓迎の意を伝えたつもりだったけれどもどうだったのでしょうか。僕のブロークン・イングリッシュはThe Wellingtonsに通じたのかな。

演奏を終え、機材をメンバーに預け、汗でびしょびしょのままマウンテンバイクに跨る。と、突然物凄い多幸感に襲われて「何て楽しいんだ!」ってモードに。あまりに慌しくて脳がオーバーヒートしかけていたのかもしれない。でも本当に、心の底からこういう一日って楽しいと、そう思った。

DAYTRIMで再び「犬橋さん」へ。麺はとうに底をつき、事前に仕込んでおいたうどんに麺は切り替わっていた。という事は残り10食程!ラストスパートという事でパフォーマンスにも気合いが入る。そして一時間後、無事に完売!40食分、微塵も食材を残さず犬丸ラーメンは完売した。いやあ、物凄くホッとした。

片付けをしつつ、漁港の公演にてさばかれたマグロの残骸、世にも豪華なマグロのお頭を摘んだり会場内をウロウロ。ずっと犬丸店内にいたから気付かなかったけれども、実に多くの方が来場されている。そしてほとんどまともにバンド演奏を観ていないのだけれども、実に豪華な出演陣。こんな日に犬丸ラーメンを出店出来たのは誇りでしかない。

わかめさん、本当に有難うございました。

終演後はシン君と清算をし、反省会。僅かな金額ですが、今回の犬丸ラーメンの売上、必要経費以外は全額義捐金として寄付させて頂きました。イベントの主旨的に義捐金として幾らかお渡し出来るといいなあとは思っていたけど、まさか必要経費外で利益が出るとは思っていなかったので大満足。シン君、本当に本当に毎回有難う。

帰宅兼機材撤収を行う河本君、シン君を見送り、JONNYの面々に会いに行く。少しだけ飲んで、くたくただったので帰宅。就寝。

こうして僕の炎の二日間は無事に終わった。

この二日間、実に多くの人と会い、痛快な時間を過ごせた。個人的にもヘロヘロになるくらい動き回れたから大満足。こういう日があるから、やっぱり毎日頑張れるんだなとも思ったしウカイさんとわかめさんには本当に感謝しています。

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