9歳年下の義姉が結婚した。

10月10日は義姉の結婚式だった。
僕が義姉に最初に会ったのも妻と交際を始める前の事だったが、後に僕が妻の実家に挨拶に行った時も「舟橋さんが真面目な顔してる」と内心ニヤニヤしちゃうくらいの、うん、気楽な関係でいさせてくれる良い人なのであった。
妻と義姉は双子で、だからというわけではないだろうけれども趣味が似る部分もあるのか、同じブランドのワンピースが好きでよく電話をしたりしている。仲の良い姉妹で大変良いなあと思っているのだが、そんな義姉が結婚するというのだから妻も義姉に内緒でビデオレターを用意したり結構バタバタとしていたのであった。

当日は着付けや髪の毛、メイクをして貰うため朝早くから妻と娘と3人で家を出、とはいっても僕は助手席でボーッと過ごすだけだったのだが(こう書くとなんであるが妻は運転が好きで兎角長距離となるとハンドルを握ってくれる。僕より運転は当然のようにに、巧い)式場である滋賀県のホテルに到着してからも僕は礼服に着替えるのみでまたボーッと過ごすのであった。
ただ想像していたよりもあっという間に時間は過ぎ、受付係を請け負った妻を送り出し、僕はリングガールという大役を担った娘の付き人として式のリハーサルへと参加したのだった。
3歳になったばかりの娘だが、リングガールという大役が果たして無事に務まるのか、と内心懸念していたのだがやはりいざその場となると娘も特別な空気感を感じ取ったのか緊張してナーバスになり「できない」と泣きそうな顔になってしまった。
じゃあパパと行くか、とまさかのヴァージンロードを二人で進み、ひとまずリハーサルは終了。本番も娘の気分次第では僕も共に行く事になりそうであった。
そりゃあ無理もないよな、緊張もするさと娘とリハーサルを終えその辺をブラブラする。受付をしている妻の様子を見に行くと、コロナ禍という事もあって参加者は親族ばかりなので受付もあっという間に終わり、そうこうしているうちに式場へ入る時間となった。一眼レフとスマートホンのカメラで動画や写真を撮りまくる妻に協力せん、と僕も義母のスマホで動画を撮った。
そして式の序盤、リングガールの出番がやってきた。敏腕だと評判高く、実際お話させて頂いた時も滅茶苦茶感じの良い担当の鈴木さんの案内でスタンバイすべく会場後方へ向かうと娘はニコニコしながら「ひとりでやる!」と元気に言い放ったのであった。
リハーサル後に機嫌を取るために「今日帰りに玩具屋さんに行こうか」と耳元で囁いたのが功を奏したのか、それとも本番に強い妻の血を引いたのか、娘は司会者さんにその名を呼ばれると結婚指輪のかごを持ち、ヴァージンロードを一目散に駆けたのであった。
良かった、流石にヴァージンロードを一緒に歩くのはまだ早過ぎる。
僕はきっといつか来るであろう「その日」が20年くらいは先になったのかな、と内心安堵していたのであった。

披露宴会場は家族で一つのテーブルを使わせて頂いた。
料理も美味しく、娘もお子様仕様の披露宴メニューを美味しそうに食べていた。娘がじっとしている事が耐えられなくなるタイミングで何度か披露宴会場から外に出たりトイレに連れて行ったりはしたが、娘も楽しそうに人生初の披露宴を過ごしていた。娘は義姉に相当懐いているので、高砂に座らせて貰えて嬉しそうであった。
いやあ、それにしても感無量な一日であった。泣きそうになったもんな、僕。
帰りは高速道路を養老で降り、義母の車と二台でドライブしながら帰った。昼が披露宴で贅沢メニューだったので牛丼をテイクアウトして妻の実家で食事をして、娘を風呂に入れて帰宅。

義姉よ、改めましてご結婚おめでとうございます!末永くお幸せに!
また遊んでね!


それにしてもこの写真の僕の顔、やべえな。