WEENIE RADIO SHOP企画に出演、四日市から無事帰還し気絶するように眠る事数時間後、目を覚ますと正午前。ベッドの上で自分の身体の状況を確認する。
首に若干の筋肉痛が残っているが、いける。まだ闘える。
佐藤メンバーにピックアップして貰って、大須 ELL FITSALLへ。隣のell size.には出演した事はあれども、ここに来るのは数年前に友人のライブを観に来て以来だ。搬入/搬出用のリフト、趣があって大変結構。
シャビーボーイズとネズミハナビ(東京)と会うのは渋谷LUSH公演以来。理由あって我々JONNYは出演出来なかったけれども、この2組は大阪公演も挙行しており、この日29日をもってシャビーボーイズの「こんにちは未来ツアー」はツアーファイナルを迎える。記念すべき3マンをともに行える喜びを胸に、ステージに臨んだ。
しかし俺のシールドよ、何故本番中に断線するのだ。昨日までは何の支障もなく電気信号を伝達してくれていたではないか。演目も半ばまで進み、さあこれからますます猛り狂おうというタイミングで不調をきたす事はないではないか。演奏中のふとした瞬間、突然ベースのボリュームが下がった。アンプから出力されるサウンドは、それまでと比べると蚊の鳴くような音量に下がってしまい、かろうじて演奏は出来るものの他の演奏メンバーも異変に気付いた様子。すかさずPA山下さんが駆けつけてくださり、どこに異常があるのか調べて下さるもその時にはシールドと断定出来るはずもなく、視認出来る範囲ではどこにも異常が見当たらない。
かくして珍しい篠田メンバー、そして各務サポートメンバーのMCが実現した次第だが、僕も機材復旧に精力を注ぎ込みながらも耳を傾けていたけれども、何とも生々しい瞬間だったのではないだろうか。
よもやライブ中の断線は想像も出来ず、自分の認識不足を呪いはせども、復旧後にお話した通り「あれもライブならでは」である。他のメンバーのフォローによってお寒い雰囲気に支配される事もなく、その後もテンションを維持しつつ演奏を終える事が出来た。
ネズミハナビの演奏をフロアに廻って拝見する。
あれだなあ、一体化したバンドサウンド、それでいて各々の意思が介在するバンドサウンドだ。LUSHの際には見えなかったバンドの底力というのが大きなステージで顕在化した演奏。リハーサルの進め方という、ネズミハナビが今までどれだけ多くの現場で揉まれてきたかがよくわかるライブだった。あの観客数を前に、遠方かたきたバンドがあれだけ自分達を顕示する事というのは一線を越えていないと出来ない事だろう、と思う。
シャビーボーイズは出色のライブ。心に残るライブというのがあるとすれば昨日のシャビーボーイズのライブがまさしくそれだろうし、何故この時間にキーボードをタイピングしているかと言われればそれは昨日のライブの情景が風化する前に感想を記録に残したかったからだ。
MCでも杉本君が喋っていたけれども、彼らが直面したバンド活動をしているが故の悩みというのは相当ディープなものだったのではないだろうか。解散していくバンドが多い中、継続するか中座するか悩み、考えた結果それでも続けていくバンドというのは何がしかそれだけで得るものがあると考えるのだけれども、シャビーボーイズはまさに清清しいまでに迷いを乗り越えた強さを持っていた。それに加えてバンドのスタンスに直結する性格の実直さ、誠実さというのが彼らの音楽に強力な説得力をもたらしている。いやはや、昨日のシャビーボーイズはステージに姿を現した瞬間からステージを去るその瞬間まで、ただのひと時も嘘がなく誠実で、そして力強い。
何よりもう曲が良いのだよ、諸君。僕が語るまでもなく曲が良い。
ステージに立つ彼らの凛々しさ、そして清清しい表情を見て涙腺が開きかけたのはここだけの話だ。
打ち上げを楽しみ、ラーメン愛好家ネズミハナビ 高橋君に一度は食わせてみたかった大丸ラーメン、皆で行く事が出来た。最近は体調が芳しくないのか営業開始時間がどんどん遅くなっているけれども、大丸ラーメンの発するただならぬ雰囲気に惹かれてか皆、大富豪をする等して営業開始を待つ。異を唱える者は一人もおらず、っそいて食し終わった後は皆一様に清清しい顔をしていた。
もう日も昇っており時間は朝の5時を過ぎていたけれど、僕達は確かにフルに一日を楽しみきったという充実感に満ちていた。
WEENIE RADIO SHOP、シャビーボーイズの2バンドに今一度最大限の謝意を。
この激動の二日間というのはこの2バンドがいなければ、そしてこの2バンドが我々に声をかけてくれなければ決して実現する事がなかったし、この2日間で僕が感じた楽しさ、愉悦というのは並々ならぬものがある。
バンド活動は点と点を線で繋げていく事である。
見事に、点と点が線で結実した2日間であった。
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