わらしべ長者、ってあるじゃないですか。
そう、昔話で伝えられている、一人の百姓が藁一本から物々交換で最終的にはお金持ちになる話。
あれって今や「物々交換でより価値のあるものを入手していく」って隠喩の代名詞になっているけれど、元々は「等価交換」が根底にある話なんですって。
何故こんな話を切り出すかっていうと、昨夜僕、「現代に於いてわらしべ長者は成立し得るか」を実験したからなんですよ。
先頃、自宅にてover skill 水谷君とライブ終わりで顔を出して下さった野村先生 (この日はマイカー共済 サポートとして出陣)とウダウダしていた。とりあえず大丸ラーメンを食べに行こう、という事にはなったのだが、大丸開店までまだ時間があるという事で暇潰しになる何かを探していた。
「のむーんさん、何か暇潰しになる事ないですかねえ」
「それなら“わらしべ長者”だろ」
「え、何ですかそれ」
「色々な人と物々交換を繰り返していくんだよ。例えば舟橋君が100円出して、その100円が最終的に何になってるか試すわけさ」
「それいいですね!やりましょう!twitter 使って交換してくれる人探しましょう!最終的にはマーシャルのヘッドアンプとか、ベースになってたら盛り上がりますねえ!」
「はっはっは、それは確かに熱いけど、まさかそこまではいかないでしょー」
諸君、このように始まりは実に些細な思いつきだったのだ。かくして我々の『わらしべ長者企画』は自室にて、静かに静かに幕を開けたのだった。
以下、そんなわらしべ長者企画の記録である。水谷君撮影の画像とともに振り返ってみる。
「じゃあまずはそうだな、ここにいらないカード型チューナーがある。これと100円を交換しよう」
「了解ですー」
というわけで
100円→KORGのチューナーになった。
「あ、twitterでザ・フロイト 小森君が“何か交換してあげますよ”って!」
「行こう!」
「行きましょう!」
「はいどうもーお邪魔します!わらしべ長者でーす!」
「フィギュアと交換してあげますよ」
「ではチューナーを進呈しまーす!」
「うわっ、全力でいらねえ!」
KORGのチューナー→ナッパのフィギュアになった。
「やったああ!ナッパのフィギュアだああああ!」
「全然等価交換じゃないですね!」
「ナッパアアアアアよけろおおおおお」
「これは、相当クオリティ高いですよ」
「本当だ、良い出来だねえ!」
~10分後~
「誰も食いつかねえじゃねえか!畜生!畜生!ナッパなめんな!」
「ナッパは“クンッ!”が使えるのにね」
「畜生!」
~15分後~
「
HOIP ウカイさんが交換してくれるそうですよ!」
「行こう!」
「行きましょう!」
「ここがウカイさんちかあ!・・・・どうもー夜分遅くに失礼しまーす、わらしべ長者でーす」
「面白そうな事やってるじゃないですかー」
「いやいや、へへへ」
「いらないものあるんで持ってって下さい」
「これは・・・・・!!」
ナッパのフィギュア→アサヒ・ファミリーセット&チャイナシンバルになった。
「いやいいんすかこれ!一気にクオリティ上がってますよ!」
「いやいらないものなんで。それに参加したら面白そうだし」
「凄い!」
「わーいわーい!」
「ついでにこれも」
「これは・・・・服ですね!」
「私もう着ないんで良かったら」
「まじっすかいいんですか奥さん!」
「最悪俺が着よう」
「えっ野村・・・・さん・・・・?」
「あ、シン君から電話だもしもし」
『チャイナシンバルに興味があります』
「早速かよ!」
「こんばんはー!わらしべ長者でーす!」
「お疲れ様です」
「シン君リアクション早かったねえ笑」
「いやあ、やっぱり気になるじゃないですかー」
チャイナシンバル→SX ジャズベーズ・モデルになった。
「うおおおおおお!ベースだあああああああ」
予想外に早くベースになって興奮を隠せない僕。
「凄いなあ、いきなりベースか・・・・!」
「エナちゃん何かあるのかい?」
「TシャツありますTシャツ」
車に積んであったカップヌードル→Tシャツになった。
「これまた凄い交換だな・・・・笑」
「こんばんはーわらしべ長者でーす!」
「面白い事やってるねえ」
「有難う笑」
「で、ベースを狙ってたんだけどさ、これと換えない?」
「これって・・・・・・ベースじゃん笑」
「うん、妹のベース。“妹の”って付加価値があるよ!」
「流石!笑」
SX ジャズベース・モデル→妹のベース(Buskers ジャズベース・モデル)になった。
「実はさ、持ってって欲しい物があってさ」
「廃品回収じゃねえ笑」
「これと、これと、あとこれ出すから女物の服と交換してよ」
「え。着るの!?ねえ、着るの!?」
女物の服→カセットコンロ、トースター、盆栽、雑誌「近代盆栽 2006年2月号」、BOSS SD-1、何かCDになった。
「絶対いらないもの処分しただけでしょ笑」
「折角だから早速着てみたら?」
「え、着ちゃう?」
「着ちゃえ着ちゃえ」
~山田トバシ君、着替えてみる~
「おおお!意外と似合う笑」
「シュールだなあ笑」
「Tシャツはサイズぴったりだねえ」
「喜んで貰えて良かったよ」
「次はどこ行くのさ?」
「名古屋城の方だね」
「頑張るねえ笑」
「こんばんはーわらしべ長者でーす」
「はじめまして、わらしべ長者スタッフです」
「へえ、良い部屋ですねえ」
「ソラニン読んでそう、って言われました友達に。絶妙なニュアンスでディスられてんのかと思いました」
「読んでそうだよね」
「実際読みましたけど!」
BOSS SD-1→火の鳥 6巻になった。
「ついでに盆栽とかつけるよ」
「全力でいりません!」
「え、何で」
「枯れてるじゃないですかこの盆栽」
「わびとさびを体現しているんです」
最終的に、半ば強引に盆栽やらトースターやら置いてくる。
というわけで「そろそろ大丸ラーメン、行きたくねえ?」という事になりわらしべ長者企画第一夜、無事に終了。
100円が最終的には「妹のベース」と「火の鳥 6巻」と「アサヒ・ファミリーセット」になったのだけども、これって相当凄い事なのではないだろうか。だって、100円だよ?そりゃあ移動時間もコストもかかってるけど、正直ここまで盛り上がるとは想像だにしていなかった。色々な人に会えて楽しかったし(実際、時間/立地の都合上行けずに終わってしまった方もいらっしゃる。次回に期待!)暇潰し以上の価値があったと思う。
さて、「現代に於いてわらしべ長者は成立し得るのか」というこの実験、結果としては「成立する」である。交換に応じてくれる皆さんの善意、そして「面白そうだから参加する」精神が不可欠ではあろうけれども、成立する。
人間は優しい。特に僕の周りには善意と好奇心の塊のような方しかいない事を今回の実験で痛感した。
ちなみにちなみに、アサヒ・ファミリーセットは翌日のパイプカットマミヰズのライブ@新栄CLUB ROCK’N’ROLL(これについては今日中にまた記事書きます)にて共演者の皆さんと美味しく頂き、火の鳥 6巻はPA 井藤さんから「読みてぇww」と連絡があったので
火の鳥 6巻→井藤さんのいらないCD2枚組(柴崎コウのベストと何かヒーリング・ミュージックのCD)になった。
ちなみに、大丸ラーメンに着いた僕達が見たのは、土曜深夜の大丸恒例、長蛇の列。
全員、この晩は大丸を食らわずに帰宅したのであった・・・・。
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