友人、実家へ帰るの巻。

昨夜はなかなか落ち着いて夕食をとる時間がなく、夜勤中から腹の虫が疼きだした。
「この作業(夜勤の実動時間は1時間半)が終わったらたらふくぶち込んでやるからな」
何を食べるか考えていたら1時間半はあっという間に過ぎ去り、数十分後、僕は自宅から自転車で5分程のラーメン屋の前にいた。野菜がガツッと盛ってありニンニクも大量にのせられ、そして麺は極太で所謂「二郎系」のラーメン屋の割に深夜ニ時まで営業しているという名古屋では稀有な店。
400グラムの麺がスルスルと胃に入った。
深夜に一人でラーメンを食べに出かけられる程度には財政状況が安定している。

帰宅して汗とニンニクの匂いを洗い流し、今週末に名古屋を出るという友人の家へ。
彼女とは僕がJONNYでベースを弾くか弾かないかという時期に出会った。出会った当初は友人の交際相手だった彼女だが、数年後には友人とも袂を分かち、その間に当時のバンドメンバーが彼女に恋愛感情を抱いたりもした。思えば、随分と遊んだものだ。深夜にブラブラ出歩いたり、友人の家を一緒に訪ねたり、夜中まで話し込んで意図的に終電を逃し、彼女の家から伊藤誠人君とスタスタ2時間程の距離を歩いて帰ってきたりもした。
メランコリックな話もしたしどうでもいいような話もしたし仕方なく一つのベッドで背中を向け合って眠ったりライブハウスで泥酔したり、常に生き様に悩む彼女との距離は一定だったように思う。
面白い時間だった。彼女は滋賀県の実家へ帰る。
物理的な距離は空くけれども、関係的な距離感は変わらないと良い、と思った。

引越し作業が徐々に進む部屋の中で友人3人とワインとカレーでお別れ会らしくもない深夜の集いを楽しんで、少しだけセンチメンタルになったりならなかったりした。彼女がトイレに言っている間にその場にいた女性の友人と彼女の衣装タンスを勝手に漁ってブラジャーを引きずり出し、女性の友人がおどけてそれを頭に被った。
そういうのを笑って許してくれるばかりか「持ち帰るならこちらを持ち帰ると良い」と別の下着を僕に差し出してくれるくらいにユーモアと美しきやけっぱち精神の入り混じった関係である。

どうか、実家に帰っても元気におやんなさい。
…ブラジャー、貰っておけば良かったかな。

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