リバーブペダルあれこれ。

リバーブエフェクトってとても面白いと思うのが、かける事でアンサンブルにスッと馴染みが良くなる事もあれば、逆に強烈に浮き出て聴こえる事もある、という事だ。30~200人規模のライブハウスならばステージ上はほぼ他の楽器の生音も聴く事が出来、アンプから放たれる出音に打ち鳴らされるドラムの生音はダイレクトに、生々しく響く。そんな中ベースにリバーブをかけて一人だけ彼岸にいるような、そんな感覚を味わうのが単純に好きだ。
勿論アウトプットの結果、アンサンブルの中でそのリバーブがかったベースがどういう役割を果たすのか、というのを考えた結果ではあるけれども、あのエフェクトへの感情というのはそういう「俺だけが」感が占める割合が少なくはない。

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初めて購入したリバーブペダルはDanelectroのDJ-4 CORNED BEEFでこれはミックスとハイカットというシンプルなコントロールで本体も非常に小さい、文字通り「コンパクト」なエフェクター。リバーブというよりかはショートディレイなんじゃないか、という気がしないでもないけど、目方が軽いので選択肢がある今でもついつい持ち歩いてしまう。可愛い奴だ。
初めて使ったリバーブがこういうモデルだったためか、人から借りて使い始めたBOSS RV-3は感動モノだった。

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「これがリバーブか…!」
それまでそこまで根を詰めずに、玩具同然の認識しかしていなかったリバーブ。Danelectroしかもっていなかったので「こんなもんなのか」とも思っていたのだけど全然違った。ちゃんとリバーブしてる。様々なモードがあるけれども、各モードそれぞれのリバーブ具合がちゃんと「リバーブ」然とした音として感じられるのが楽しい。音はデジタル臭くて苦手、という意見もたまに耳にするけれども僕はこれぐらいわかりやすくかかっている方が面白いと思う。面白いけれども音としてはちゃんとしてる、しっかりした玩具ってイメージだ。

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そして去年の秋、彼がバンドマンだった頃(自称:一般人だものね、今は)は全然遊ばなかったのにふとしたきっかけ(何か憶えてない)で一緒にラーメンを食べに行ったり遊んだりするようになった斉藤伸也君がペダルボードごとくれた6機種、その中にDanelectro DSR-1 Spring Kingが含まれているのを発見した時、舟橋は狂喜した。丁度その時欲しいペダルだったし、これによって舞台は再びDanelectroへ。
何が凄いってこのSpring King、スプリングリバーブを模したもの、ではなくて本物のスプリングリバーブである事。中にバネが仕込まれており、それによってリバーブ効果を得る。そのため筺体はもう物凄く大きい。
「本体が大きいペダルほど良い音がする」というのはある種の宗教めいた盲信ではあるけれども、それにしても大きい。良い音がしそうな風格。けれどもちょっと億劫になる程の絶妙な大きさ。けれども僕はこいつを重宝している。何故か。
先程バネが仕込まれており…と書いたがそう、スプリングリバーブ内蔵ギターアンプのようにこのSpring King、蹴っ飛ばしたり殴り付けたりして振動を与えると中のバネが振動して「ガッシャーーーン!」と炸裂音がする。実際本体にも「ここを蹴りなさい」とキックペダルが装備されている。
そのキックパッドだが、中身を見てみるとそのキックパッドには配線材もへったくれも何も繋がっていない事がわかる。本当に、ただのキックのためだけに貼り付けられたゴムであり、別に本体に衝撃が加わりバネが振動すればどこを蹴ったっていいわけである。最高。ちなみに配線材は筺体にセロハンテープで貼り付けてあった。最高。
リバーブの音に関しては悪くない、全然悪くない。頑固一徹、一種類の音しか出ないけれどもそこにまた潔さを感じる。殴ったら音出るし。

紆余曲折経たけれども、それだからこそ理解出来た各ペダルの妙味。
これらを適時表現したい内容に応じて使い分けていけたらな、と思います。

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