2013年3月最後の4日間は、市内の文化小劇場にこもりっきりになって仕事をしていた。
職場に併設されている音楽スクールの年に一度の発表会だったのだ。ポピュラー、クラシックの2日間に分かれていて(4日間っていうのはそのうち2日間はリハーサルだったからだ)様々な楽器の演奏をする。ドラムを習ってらっしゃる生徒さんの場合、講師の先生と即席バンドを結成して演奏する事になる。ギターの先生がベースを弾かれる事が多いのだけど、先生が弾かれない曲はここ最近は僕が受け持つ事になっている。今年も8曲演奏した。サンズアンプもエフェクターも一切繋がず、先生とアンプの設定までも共用して(転換中に細かく音作りをする時間がないっていうのもある。一日にそれはそれは多くの生徒さんが演奏されるので)楽譜は読めないからほとんど自分用(僕にしか読めないし理解出来ない可能性が高い。ギターの先生に言わせると「これはただのメモ書きですよ!笑」との事)に書き起こした楽譜か、コード譜を見ながらの演奏。
ステージスタッフと演奏と、ってのを兼ねながら動き回るのはなかなかに慌ただしい。今年はよりにもよって風邪をひきながらの現場となった。しんどかったなあ。
そんな現場の最中、29歳になった。
父と母に祝って貰い、twitter上では多くの人間がお祝いと労いの言葉を投げてくれた。ありがてぇありがてぇ。29歳という事で皆の期待するような人を喜ばせる憎々しい大人になれれば良いな、とも思う。
ベースギターを弾き始めて10年経った、という事か。
最終日31日は発表会が終了、撤収作業が済むとそのまま一時帰宅、お風呂に入ってスタジオ246NAGOYAへ向かった。この日は246NAGOYA設立当初から5年半、店長を務められた篠原さんが4月から異動されるという事でpalitextdestroy 河本君が中心となって企画された「さよなら篠原さん また来週会いましょう 今日は、結婚記念日デストロイ」なる昼11時から夜24時過ぎまで総勢18バンドが出演する一大企画にパイプカツトマミヰズで出演。
発表会と日程がかぶってしまったのだが、河本君が時間の融通を利かせてくれて出演する事が出来た。僕は加入前だけれども、パイプカツトマミヰズは音源も篠原さんに録って貰ってるし吉田君も篠原さんに懐いてるし、それに何より吉田君がいない時に篠原さんとしたパイプカツトマミヰズの話、あの時の篠原さんの楽しそうな目が物凄く印象深かったのでこういう機会、現行メンバーとしてもどうしても出演したかった。有難う河本君。
演奏前にはその日のイベントに縁とゆかりのある人や共演者、はたまたバンドメンバーに金玉を握って貰うのが恒例である。そうする事で気合いが入る。かれこれ何年か続けている最早、習慣。この日は当たり前のように篠原さんに「金玉握って貰っていいっすか」とお願いして篠原さんも別段理由もきかずに物凄く自然な流れでズボンの中に手を突っ込んでパンツの上から金玉を握って下さった。あんなの、初めてですよ篠原さん。
この日の演奏は普通にやると、少なくとも自分自身から湿っぽい空気にするのは止そうと思っていた。
そういうのって似合わないし、第一誰も期待してないだろうしそうしたところで篠原さんが喜ぶかって話だ。そう思っていたら演奏直前、吉田君が「俺、今日湿っぽい話するから」。
まwwさwwかwwwのwwwww。
だけど残念だったな、吉田君。君の美しい話は他のメンバーによって全部台無しだ!
それにしても、夜の10時過ぎから演奏を始めたのだけど、よく日曜の夜にあそこまでの人数が会場に残っていたと思う。ライブ配信も可能な246NAGOYA 7番スタジオ、結構な人数がいたように思える。結局、確実に終電がない時間までも出演者や関係者だけでなくお客さんも残っていて篠原さんが如何にバンドマンに愛されているか、そしてそんな篠原さんの246NAGOYA最後の日をお客さん含めその場に集まった人間がどれだけ愛しんでいるかが肌で感じられた。
昼間に出演、その後NOT REBOUNDの大さん卒業ライブに行かれていた茜谷(i GO)さんが終演後に戻ってきたくらいだものな。泥酔した茜谷さんが新栄から自宅の今池を通過してやって来るって、本当に相手が篠原さんだから起きた事だと思うんだよ。茜谷さんって泥酔したらいつの間にか帰ってしまわれるので。
「大ちゃん」「アニキ」と呼び合う茜谷さんと篠原さんの関係は本当に素敵だった。
茜谷さんだけじゃない、合計18バンドとサラリと前述したけれども年齢層もジャンルも全て飛び越して、錚々たる面子が18組。言い方が悪いかもしれないけれどもスタジオの店長が異動するからって開かれた企画としてはもう色々と飛び越している。篠原さんって本当に多くのバンドマンに愛されていたし、何より信頼されていたんだな。
最後の出演者は、篠原さん。
愛に溢れた時間。狂騒的な時間が僕は大好きだけど、ああいう時間も、瞬間の積み重ねも僕は大好きだ。
篠原さん、お世話になりました。
バンドマンとして強くなったらまた見せに行きますね!
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