アルコールと野次と歓声にまみれて。

現在午前7時44分、京都から帰ってきたばかりでシャワーさえも浴びていない。
印象深い日であれば必ずその記憶は何年後だろうとも自分の内に残るはずではあるが、どんどんと鮮明さが欠けていくし取りこぼしていく情報も多くなっていく。
僕の場合は、自分自身に関しての記録であるこのブログについてはそういうのって、未来の自分に対して罪悪感も同時に募っていく。何年か前なんて遠征帰りの車中で一人でシコシコ(この表現に卑猥さを感じるくらいはまだ少年の心を捨てきれていない)とブログを書いていたもんな。その頃からすれば、ライブの数日後に自分の中で完全に冷静に振り返れるようになってからブログを書く、というサイクルになっている近頃は、それはもう単純に更新までに感覚を空けるようになったという事なのだと思う。
何が言いたいかっていうと、ここまでは遠征から帰ってきてすぐさまブログを書くよっていう前振りに過ぎない。長くて冗長な前振り。
パイプカツトマミヰズはメシアと人人自主企画「肉3」に呼んで頂いて京都は木屋町に行ってきた。その記録を写真と一緒に振り返る。

京都という街は名古屋のバンドマンなら皆そう思うのかどうなのかはわからないが、個人的には非常に良い距離感にあると思っている。
物凄く遠くもないし、かといって近くもない、車で約2時間、移動疲れが溜まる前に着いてしまう。また、京都入りした時の街並みも実にこう、「京都らしい」。ああ京都に来たんだな、って感じがその遠くもないし近くもない距離感ながら遠征感をグッと増してくれる。ま、どこ行ってもなんだかんだワクワクするし、車で10時間近くかけて行った福岡だって別に苦でもなかった(ちなみに僕は一切運転していないのだが)んだけどね。
ちなみに木屋町って初めて行ったんだけど、Voxhallのすぐ近くだった。あの辺りはライブ以外にもブラついたり仕事で大阪入りした時にも試写室に泊まったりで何度か行っている事もあって安心感がある。
木屋町DEWEY、初めて出演させて頂いたライブハウスだけれども店長さんにご挨拶させて頂いてすぐに「絶対に良いところ!」って思った。で、実際良いところだった。働いてらっしゃる皆様、とても親切だし音も馬鹿デカく(けれども聴いていて疲れない。これって凄い事!)、また演奏もしやすい。必ず、また行く。

それにしても出演者もお客さんも+2000円で飲み放題というシステムだったからか、イベント序盤から酩酊、泥酔してらっしゃる方が沢山いて大変面白かった。目の据わったお客さんに肩を抱かれて「とても良かったよ!」とまるで「なあオイ、どうなんだオイ」と言わんばかりの感じで褒めて頂くのはとてもとても嬉しい事だし、お酒を前よりかは飲めるようになって以来、こういう言い方はナンだけれどもさ、飲みすぎて頭がパアになっている人が前よりか断然愛おしい。
飲み過ぎて潰れてフロアで吐瀉物をまき散らしちゃって、それをライブハウスのスタッフさんとその日はじめましての方と一緒に片付けながら「演奏、凄く良かったですよ!」「あ、有難うございます!」だなんて言いながら一緒に片付ける経験なんてそうそう出来るものでもないし(そして一緒に片付けていたその人がそのすぐ後に嘔吐して潰れるという連鎖)、何よりあの場にいた人がそんなのに眉をひそめるような余裕さえない程に酔っ払っているっていうシチュエーションが尋常じゃなかった。フロアにいる半分以上の人間がアルコールまみれになっている様は痛快でさえあった。

そんな中、今までパイプカツトマミヰズに於いては京都GROWLY店長として向き合って下さった安齋さんが遂にバンドマンとしてその正体を現した!


ふつうのしあわせ、度胆を抜かれたなあ。御三方、全員が全員プレイヤーとしてスキルが高く(例えアルコールまみれでも鈍らない!)、それが音楽的に結実している様っていうのは実に理想的で、嗚呼、我々もかくありたい。
名古屋にご招待する使命感に駆られております。先輩方、次は名古屋で戦りましょう。


沢山のアルコールとそれによって発露する欲望、嬌声を吹き飛ばすような勢いでフィードバックノイズと絶叫で始まったメシアと人人は、何だろう、本人達も必死の形相で物凄く切実なものだろうにドリーミーでポップで、僕ぁ観た事はないけれど「きっとMY BLOODY VALENTINEの轟音ってこんな感じなのかな」と勝手に思った。アルコールによってふにゃふにゃになった各務君も「マイブラみたいだね」って言ってたからきっとそういう風だったんだろう。
精神的には尖っているけれども耳障りでない、包み込まれるような爆音。リズム。
メシアと人人、ナイスギグ。きっさんは記憶ないって言ってたけど。

終演後、iPhoneを無くされたお客さんの捜索の手伝いをしたりバンドメンバー分の機材を駒田君と二人でハイエースに積み込んだり潰れたメンバーを無理やり起こして車に運び込んだり、等々。
ここまで楽しくやれたのは京都のナイスな夜だったから!その状況を作り上げたメシアと人人、本当にお疲れ様でした。そして有難う。
京都よ、我々は必ず戻ります。

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