大きな音で肉体的にもダメージを負いそうになった夜の話。

犬栓耳畜生にて新栄DAYTRIVEにて行われたWARFUCK(from仏。ほとけ、じゃないよフランスね)ジャパンツアーに参戦。
同じく出演されていたODA takumiさんとも話していたのだけど、何かと僕達は“こういうやかましい海の向こうのバンド達”が来日するとご縁がある(この時この時もご一緒した)ようで「完全に僕達名古屋ではこういう枠なのかもしれませんねえ」なんて話をした。
僕達は、そしてきっとODA takumiさんも満更ではない。それどころか僕としては大変刺激的で毎回楽しい。
海の向こうから大きな音を引っ提げて殴りこんでくるフレンド達は大抵がその音楽性に反してフレンドリーで、そして音楽を筋肉で鳴らす事の美しさと尊さを教えてくれるからだ。
やはり、頭使うよりも体を使って鳴らす音の方が信用出来る、と思う僕は体育会系ってわけでもないけれども、ちょっとそうだね、マッチョイズムに心惹かれている部分が少なからずあると思う。

WARFUCKは速くて強かった。何食ったらああいう音になるんだ。ドラムのキックなんてグリッチサウンドみたいになってたぞ。体格と筋肉で音を鳴らす部分というのは少なからずある、というのは毎回海の向こうのフレンドが叩く、いやブッ叩くドラムを聴いて思う。

2016_02_19_001
この日個人的にベストアクトはブッちぎりでODA takumiさん。いや、本当に素晴らしい演奏。
思えば今までの共演で最初から最後までODA takumiさんの演奏を拝見した事がない、と今回のライブを観て初めて気がついた。例えとしては間違っているかもしれないけれども、いや感覚的にはあってるな、ODA takumiさんのノイズミュージックは僕にとってサウナのようなものだ。最初こそその暴力性に恐怖を感じるけれどもいざ内側へ入ってしまえば優しさと恍惚に包まれる。緩急の効いた演奏はサウナと水風呂を行き来するようで、その繰り返しが次第に僕をサウナトランスへ導いてくれた。
音楽を聴いても整うんですね、本当に有難うODA takumiさん!
何を言ってるかわからないって?サウナへ行け、ODA takumiさんのライブを観ろ。

犬栓耳畜生は大島優子似の発案で構築された演奏。
僕達は毎回「方法論を色々試す」事を少し前のライブから意識的に行っていて毎回毎回発案者を変えて違った発想で演奏をするよう挑戦している。即興と構築の間を行ったり来たりしたくてやっているわけなのだけれども、今回の演奏は結構良い感じに緩急もついていたしそれぞれの持ち味も顕在化出来たんじゃないか、と僕は思ったのだけれども(とは言っても大音量の演奏による耳へのダメージを防ぐためにイヤーカフをしているので全てが全て聴こえているわけじゃあないのだが)、大島優子似は演奏後に若干不服そうだった。自分の演奏に満足がいかないらしい。どこまでもストイックでその姿勢が美しい、と思う。
炭酸さんは僕のリクエストに応えて「わかりやすいドラム」を叩いて下さった。炭酸さんって何なら演奏中の感覚としては一番遠くにいるようなのだけれども、演奏後に振り返ると一番感覚を共有出来ていましたね、という事が多い。大変多い。ご近所さん、というのはかくも偉大なものなのか。

犬栓耳畜生で、今後も楽しく挑戦していこうと思います。

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