面白いもので「結婚すると色々と変わる」と身近な人間達には思われるようで、特に表現活動に於いてはその表現がネガティヴなものであると捉えられがちであるというか、まあ結構な頻度で「ああ、この人は結婚すると今までのように活動は出来ないと思ってるんだろうな」と眼前に人間に対して思う事がある。
勿論それは過去にその人が見聴きしてきた多くの実例、或いは実体験からくる『当たり前の』発想なのかもしれないけれども、幸いにして僕の場合は大変有難い事に結婚という人生の一つの転機を迎えてから表現活動にネガティヴな影響は全く出ていない、と断言出来る。これを書くにあたって「本当にないのか、俺、本当にか」と自問自答したけれども出てこなかったという事は僕は本当に負荷を感じていないという証左になるだろう。
だからといって好き勝手にやっているかと言われるとそうではない、と思いたい。こればっかりは断言出来ないから「思いたい」になるのだけれども、今のところ配偶者の理解は得ていると思うし(彼女自身も役者として人前に立つ活動をしているからというのは大きい気がする。それと会話)実際非難めいた態度は一度もされた事がない。今のところは彼女が物凄い演技力を以てして我慢をしているのではない事を願うばかりだ。
さてこんな事を長々と書こうとしたわけではない。前述の「結婚すると色々と変わると思われがちな事」の中の一つに「趣味の買い物が出来なくなるのではないか」という事が挙げられるのだが、これについては本当に配偶者の人格というか寛容さと理解力に感謝する他あるまい、答えは否である。妻は表現活動に理解があるばかりかエフェクターについても好奇心を伴って受け止めてくれており、そうやって積み重ねた知識と理解力を合わせて思考し、僕の買い物にジャッジを下す。
すなわち「それは貴方の音楽活動に有益であろう買い物だから買うが良いです」と。
というわけで専門店にて僕が大いに興奮しつつ試奏していたところ後方から「買っても良い」と妻からお墨付きを頂いた一台。
BOSS PS-5である。
最近の僕の足元はBOSSコンばかり、というかむしろ好んでBOSSコンを買うようになっているのだけれども、そんな中でも勿論積極的に興味を抱く一台とそうでもないものはあってこれは前者。興味を覚えるようになったきっかけはJanek Gwizdala(この人についてはリンク先参照。juan aldereteさんと並んでペダル好きのベースギター奏者として知られている)さんがこのPS-5を絶賛していた旨を見かけた事で、事実Janekさんの足元を見ていると(サービス精神旺盛だからInstagramとかで写真をアップしてくれたりするんだよね)結構な頻度で繋がってるのよね、これ。
これの後継機種は購入して使っていた事があるんだけれども、当時の自分の演奏だとあまり必要性を感じず金策のために売り払ってしまった。
最新モデルではないけれども気にはなっていたので試奏してみて、良かったので購入。
一言でいえばピッチシフト系の事は大体何でも出来る。
特に気に入っているのが後継機種でも楽しかったアームモードで、ストラトのアームみたいに音をグニャーンってさせる事が出来る。踏んでる瞬間だけピッチがシフトするので直情的に使えるのがまた面白い。後継機種は結構綺麗にグニャグニャいった記憶があるんだけれども、これは(今と比べて)古いモデルだからか音がヨレる。結構露骨にバグみたいに音がグシャグシャになるのだが、それがまた面白い。かけっぱなしとかにするなら兎も角、ここぞという時に踏み込む飛び道具的な使い方をするモードであろうからこういうハミ出た音がする方が面白く感じる。
それとDETUNEね。原音とズレた音を重ねる事でコーラスみたいな音を出すモードで、ワーミーペダルでデチューンを愛用していた時期があった。これはワーミーよりも設定が細かく出来るし何より筐体が小さいので大変気軽にデチューンを楽しむ事が出来るのが良い。
他にも色々モードは搭載されているけれども、使っていない。ピッチをシフトする事があまりないからだ。
そういうのが好きでガンガン使いたい向きにはこれは不向きかもしれないけれども、僕みたいにあまり大きかったり重たかったりするものを持ち運びたくないしそんなに使用頻度は高くないわ、でも足元にあったら踏むかな、くらいの人には丁度良いんじゃないかなこのサイズ。
あと何より安かった。箱付で6000円切るって物凄くお買い得感!
良いご縁に恵まれ、その後の演奏でもそのサイズさによる気軽さからか持ち出していっては結構な頻度で踏んづけています。
やっぱりあったらあったらで面白いし使うんだね、こういうペダルは。
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