何も毎日仕事と家との往復だったりポケモンGOばかりやっているわけではない。
ちゃんとバンド活動もやっているし薄暗い1.5畳で楽器を弾いたりもしている。バンド活動はどちらかというと最近はもっぱら事務というかバンド運行に必要な打ち合わせ等が多い。演奏活動ではないけれどもバンド活動の大切な一部だ。丁寧に瞬間瞬間を積み重ねてからこそ目的は達成し得る。これは仕事で得た気付きだ。
ライブ活動はというと先日鈴木実貴子ズで深夜の演奏を行って以来、8月の終わり頃まで間が空きそうである。
さて来るべきライブのために薄暗い1.5畳で楽器を抱えてコツコツ何をするかというと、ストイックにメトロノームに合わせて裏拍を感じる練習だったり徐々にBPMを倍にしてリズムをキープする練習だったりスケールの練習だったりでは、ない。そういうのをやった方が良いのだろうとは思うのだけれども興味の対象が僕の場合、そういう『何を』弾くかとか『どう』弾くかではなく『何で』弾くかに向いてしまうからして、今夜も1.5畳で歪みペダルを嗜むのであった。
というわけで購入以来ライブで使ってはいたのだが、ようやくEarthQuaker Devices Blumesについて書く。
同ブランドのPlumesは結構な頻度で僕のボード内にオーバードライブ枠として君臨。しかして同ブランドのWestwoodを購入するやWestwoodの『痒いところに手が届く感』についついかまけてしまい、あえなく機材棚のコレクションに落ち着いたのだった。
それでも僕の中にPlumesの良い印象だけは残っていたので「ベースやバリトンギターに最適化されたPlumesが出るらしいぞ」と聞いて当然、興味津々。発売して割と早々に弾いていたものの「何だか当たり前に良いからこそ、ちょっと後で良いかな」みたいな気持ちになって遂に購入していなかったのであった。当たり前に良いものって簡単に手を出すのが何だか違うかな、みたいな気持ちになる時があるのである。僕は出来ればオーバードライブの迷宮でずっと迷子になって「いたい」のだ。
ようやく重たい腰を上げたきっかけはというと、特にない。「もうそろそろ良いかな」と思ったか、「確実に良いオーバードライブが欲しい」だったか。いずれにしても「購入して次のライブですぐ使おうっと」と思ってのタイミングで購入した記憶がある。
やはり買って使ってみると凄く良いのであった。
コントロールはLevel、Tone、Gainに3モードの切替スイッチ。
LevelとGainは特に特殊な動き方はしないけれどもToneは左に回せば低域が強調され、12時寄りにすれば中域が強調され、右寄りに回せば高域が強調される。勿論強調される帯域以外も存在はするのだけれども、Plumesと同じようなセッティングにして比較すると顕著なのがその低域の出方。いやー、出る出る。確かにこりゃベーシストや低域にうるさい向きにうってつけである。12時より右に回していっても低域はしっかり残るので(流石に右にフルアップすると滅茶苦茶強調された高域で低域は見失いそうな存在感になってしまうけれども)バンドアンサンブルに於いて、周波数的な意味でベースパートを守りつつキチンと主張する事が出来る。
各モードについて。
モード1=(対称)LEDのクリッピング。「歪んじゃってる」感じの歪み方から明瞭に「歪んでる」までいけちゃう。個人的に一番好きなモード。
モード2=クリッピングなし。一番音が大きく、レンジも広い。Gainを下げ目で使えばクリーンブースターにもなる。
モード3=非対称シリコンダイオードのクリッピング。ファズっぽい歪み方と言われているけれども、確かによくジュワジュワしている。クリーンシグナルがちょっと混ざってる、かな?
何だかんでオーバードライブは「ちょっと歪んでる」感じで使うのが好きなのでBlumesでも愛用のモードはモード1。
ちゃんとアタックが歪んでる感じを出したいのでToneは写真(↑)の位置くらい。「軽く歪んでる」くらいのGain設定にして、踏んでいる。
歪みペダルというものはクリーントーンさえしっかり作っておけば余程アクの強いペダルでない限り、毎回毎回トーンコントロールをいじくりまわしたりしなくても大抵ペダルのチューニングはサクッと決まるものだ。
Blumesもそうで写真のようなセッティングにしておけば後は当日使用するアンプやステージの環境、あとは気分に合わせて微調整するだけで良い。僕が触るのは大抵Gainコントロール。「歪んじゃってる」から「歪んでる」までの微妙な差異を、ちゃんと変化としてつけられるBlumesが好きだ。
Blumesはあっという間に僕の足元に馴染んだ。チューニングで悩む事もなく、毎回音量と歪み具合の微調整をチョチョイとするだけでそのまま本番で気持ち良く歪ませてやれる。
唯一の難点はあっという間に馴染んでしまってペダルを乗りこなす楽しみを感じる間もなく『便利な相棒』ポジションに落ち着いてしまった事。
ほんと、それくらい。