最近すっかりご執心なディレイペダルがcrazy tube circuitsの『time』である。
crazy tube circuits、勉強不足で申し訳ないのだけれども初めて聞いたブランド名なので調べてみたところ、ギリシャはアテネのブランドなんだそうな。
直訳すると『イカレた真空管の回路』だけれどもそういう気概で作品を作っているブランドなのだろうか。
僕がtimeを手にしたのは2026年のゴールデンウィークに、組んだばかりのエクスペリメンタルユニット『匣庭』でkokodstenの企画に出演した事に因る。あまりにも美しい発振音をまとったギターの音とその音が作る世界感に完全に魅了されてしまったのだった。
この音を自身のベースギターの演奏に取り入れたいと思った。要するにパクろうと思ったんだね。

というわけで無事に手に入れて、その後のライブでも使ったりしている。
いや本当に素晴らしいディレイなんだよね。
コントロールは
・m/sec=ディレイタイムのコントロール。120ms~650msの範囲で可変。
・mood=ディレイシグナルの高域のコントロール。右に回していくにしたがって高域がカットされてマイルドな音になる。
・more=ディレイシグナルとドライシグナルのミックスコントロール。ドライシグナルはエフェクトオン時でも常にバイパス時と同じレベルで出力されるので事実上ディレイシグナルのレベルコントロール。
・tail=フィードバック量のコントロール。
という割とシンプルなもの。
回路的には(各種レビューやメーカーの説明を読んだところによれば)ダイレクトシグナルはエフェクト回路を通さずにアウトプット直前でディレイシグナルと合流して出力されるので一切回路の影響を受けないとの事。
あとは内部回路にトリマーがあるそうで、最終出力レベルをコントロール出来るそうな。裏蓋を開けてないので実際どうなのか未確認。
ディレイシグナルは常にモジュレーションがかかっており、そこは調節出来ない。でも実に良い具合なので「これで使ってくださいよ」というブランド側の意思と自信を感じる。ほんと、大変良い具合なんだよね。
ディレイタイムは最小でも120msなので左に回しきってもスラップバック・エコーみたいになる。
ディレイシグナルの高域コントロールは結構効きが良いので一切カットせずに明瞭なディレイ音を楽しむ事も出来るし、高域をカットして程好く馴染ませる事も出来る。
で、僕が気に入ったポイントの発振ね。
というかほとんど発振させて、でしか使ってないんだけれども綺麗だし扱いやすい。発振させてディレイタイムを可変させると暴力的にグワングワンいうディレイもあるけれどもtimeはさにあらず。勿論地味というわけではないけれどもアンサンブルをブッ壊すような暴力性は無く、幽玄な発振サウンドを楽しめる。そしてダイレクトシグナルとディレイシグナルを最終アウト直前でミックスする方式だからなのか、この発振サウンドの音量コントロールが滅茶苦茶制御しやすい。
バイパス時と遜色ない音質、レベルでドライシグナルが出力されるものだからmoreで発振音の音量を決める事も容易いし、他のディレイで経験したような「とはいってもディレイタイムをグワングワン弄ると原音なんかくわれちまったりするでしょう」が今のところtimeでは経験していない。発振の美麗な部分を堪能しやすい、というかアンサンブルに積極的に発振を取り入れようと思える出音である。
あと発振中でも弦を弾くとちゃんとディレイ音が鳴ってくれるのもポイントが高い。ディレイ音が出力されて、それが発振に溶け込んでいく様まで綺麗なんだからたまらんよ。
調べてみるとこのtime、後継機が出ているみたいである。
タップテンポが出来るようになっており、かつフットスイッチ長踏みで発振してくれるとか。
さ、触ってみたい…!