BEHRINGER AB100を通じて思い出すあの人の姿。

これこれこれを半ば連続的に書いているうちに妙に楽しくなってしまった。
『本気で使う事は滅多になかろうけれども、使いようによってはちゃんと活躍出来るような連中』であるBEHRINGERのコンパクトエフェクターについて向き合い続ける事で見えてくる事もあるのかもしれない。ちなみにTP300なんかは結構ライブでも使っていた。あれは良かったな。
話が逸れる前に今回も機材棚からBEHRINGERを発掘。


ほとんどのBEHRINGERのコンパクトエフェクターがどうやって手に入れたのか定かでない中、このAB100だけは手に入れた経緯が明確である。
このAB100は今は亡き自縛ポエトリー ういちゃんが吹上 鑪ら場で会った時に譲ってくれたものだ。あれいや違ったかな、僕が何か渡したんだっけ。自信がなくなってきたな。ういちゃん自身のインパクトが強過ぎて記憶を辿ろうとすると本人の姿が思い出よりもグッと前に出てくるのだが、鑪ら場の受付近くで何かエフェクターの受け渡しをした記憶は残っている。いやでも多分これ、彼女から譲り受けたものだと思うのだ。そういう事にしておこう。

しかしこれ、入手してから一度も使っていない。何なら音を出したのもこの備忘録を書きつけるにあたって初めてなのである。
1イン2アウトのアンプセレクター、もしくは2イン1 アウトのインストゥルメンツセレクターとして使えるもので、AチャンネルとBチャンネルそれぞれに出力レベルがついている。ベースやギター等の楽器を異なるアンプ2台に接続して切り替えて使う時や2本のギターを1台のアンプにまとめて出力する時等に使える。
しかし要注意、それぞれの『出力』を調整するので1イン2アウトで使う時はOUT AとOUT B、それぞれの出力レベルを調整する事は出来るけれども2イン1アウトの時はOUT BがIN BになるのでOUT Aのレベル調整しか出来なくなる。つまり2本の出力が異なるギターをこのAB100でレベルを揃えて切り替えつつ1台のアンプで鳴らそう、というのは無理らしいのである。らしい、と書いたのはインターネットで拾い読みした知識なので。そういう使い方は僕はしないな、と試してさえいない。
使うならきっと2台のアンプを切り替えて使う。
あとちゃんと出力段階で音量をブーストする事が出来るし、バッファも効いている。結構バキッとした音になる(印象)。
全然嫌いじゃないぞ。

思えばういちゃんとの思い出にこういうペダルが紐づいているのは興味深い事だ。
ノイズミュージックにもその手腕を発揮していた彼女(エレクトリック大正琴にメタルゾーンを通して鳴らしていた)だが、こういう『使い手の発想とアイディアによって真価を発揮する機材』は滅茶苦茶向いていただろうなと思うからだ。
僕が小型のギターアンプやらベースアンプを買い集めるような事があった時には、きっとこのAB100を足元に置いて何かに挑戦しようとしている時なのだろう。
孤独部を通じて出会ったういちゃんとはその後、個人的にも一緒に演奏したりしたけれどもどの演奏も「私はこうする、貴方はどうする」と彼女自身の姿勢から自身の在り方をどうするのか突きつけられるものばかりだった。
彼女由来の機材に今も尚「貴方はどうする」と言われているような気がして、ちょっと面白いなと、そう思った。