無性に新しい楽器を始めたくなり、以前より気になっていたNo Input Mixing Boardを始めてみる事にした。
No Input Mixing Board、簡単にいうとミキサーのアウトプットとインプットを結線してノイズを発生させ、その音を用いて演奏するという事である。インプットしない=No Ibputという事なのだが、これ、最初にそういう演奏?楽器?発想があると聞いた時は「確かにステレオ入力/ステレオ出力のエフェクターとかイケナい結線するとノイズが出て楽しい事になるけれど、それで演奏するとは如何に?」と首を傾げたのだが、理解出来ない事があると気になるのは人間のサガである。
中村としまるさんのアルバム「No-Input Mixing Board」(2000年)を視聴して、その豊かな音と音楽的かつ機微に富んだノイズに静かに興奮。凄いな、ミキサーでこんな音が出るとは…。
メル○リで安価なミキサーを探したところ、安いエフェクター一台くらいの価格で手に入る事がわかり「こりゃあやってみるしかないな」と手を出してしまった次第。
「他の楽器を試す暇があるならベースギターの練習してはどうか」という心の声も聞こえたけれども、それよりも僕は今現在自分の好奇心を重んじる。年齢を重ねる度に体力的にも環境的にも自分自身の、自分だけの時間の確保が難しくなる事は明らかだろうから近頃はかつての「兎に角まずはやってみる」の「兎に角」の部分もハードルを高く設定しているのだが(時間の使い方に関する考え方の変遷については言語化して明確化する意味でも近々日記にまとめたい)、今回の衝動は閾値を超えたものとして一歩を踏み出す事とした。
学ぶ事は真似ぶ事であるからして、まずはこの動画を参考した。
ついでにいうと動画のものとミキサーは全く同じものを購入した。
Behringer EURORACK MX 602Aというモデルだ。本当に手頃な価格で手に入った。サイズも薄型で軽量で、ペダルやら色々繋ぐにはこれくらいのサイズ感のものが丁度良いのではとも感じた。
で、早速動画の真似して結線して音を出してみる。
ツマミの触り方によってはとんでもない爆音が飛び出る事は想像に難くないので恐る恐るノブやらフェーダーを触ってみる。
どこをどう触ると音がこうなる、とかそういう手応えは一切ない(!)のだが、そこが面白い。偶発的に出た音は素敵だと嬉しい。
最初こそ再現性を求めてどこをどう触ったか憶えてみようかと思ったがやめた。
今はまだ感覚で良い。結線の意味を考えたり演奏について思索するのはもう少し後の事になろう。今はただただ音が出る喜びと戯れるのみである。
研究を積み重ねる意味でも備忘録代わりに録音しておく事にした。
手を動かし、記録し、振り返る。そのサイクルが向上に繋がるかもしれないという希望を抱きながら。