やっぱりついつい買っちゃうゾEarthQuakerDevices

2021年に覚えた事で一番良くなかった事はメル○リだった。
個人間の売買は売りたい値段と買いたい値段のバランスが取れるが故に「お店に売っ払うくらいならここで売っちまおう」と考える愛好家は少なくないらしく、「あれッ!こんなの売ってる!」と言いたくなるようなブツが「ウワァ、こんな値段で売ってるの!?」というような値段で売ってたりする。
はじめは欲しいものがある時に覗いていたくらいだったのだが、そのうちに「何か出物はないか」と暇な時に自分の琴線に引っ掛かり得る検索ワードを打ち込んで眺めるようになった。実際に買い物に手を染めるまでは然程時間はかからなかったし、当初は妻のアカウントから代理購入して貰っていたのだが今や僕は僕自身のアカウントで買い物を楽しんでいる。
いやあ、これは良くない。
楽しくて、まずい。

頻繁に閲覧している検索ワードを幾つかご紹介。
「バットマン」これは本のカテゴリーでバットマンのアメコミを探す時に用いている。同様に「スパイダーマン」も覗いている。アメコミの古本は相場より安くて良い。
「ベース ファズ」言わずもがな、エフェクターだ。これで拾い上げたファズはこれとかこれとか。
「EarthQuakerDevices」エフェクターカテゴリー内、このブランド名で定期的に出物がないかチェックしている。本当に欲しい廃盤のブツは世界的なペダル専門売買サイトでも結構な価格高騰を起こしているので購入に二の足を踏んでいるのだが、さてどうしたものか。
今日の日記はこの「EarthQuakerDevices」でヒットした商品の中で見つけ、実際に買ったものについて。
昨年の秋口から冬にかけて、兎に角ペダルを買いまくったのだけどその時の一台。


EarthQuakerDevices SeaMachineである(画質よ…)。
かねてから妻には「EQDのペダルは新品は気になるブツが出る度に買い、中古で手頃な価格のものを見つけたらその都度確保していく」と宣言していたのだが、この旧筐体のSeaMachineも15000円とかそんな「おっ、安めじゃん!」という販売価格で見つけたのであった。
コーラスペダルってあまり執着がなくて実際に僕の演奏でもあまり使った記憶がないのだけど(デチューンは好きで一時期よく使っていた)、EQDのペダルだったらハズレって事はないしいざ手に入れたらあまり使っていなかったコーラスも使うようになるだろうなという予感もあった。それくらいミーハーな男よ、僕。
何よりSeaMachineは同じくエフェクター好きの友人studio penne氏のペダルボードを触らせて貰った時に弾いた事があり、エグい効き方が印象に残っていたのだった。
旧筐体との出会いは一期一会だし、色も気に入った。何だか爽やかさと濃厚さが同居した青色で、ポップにもシックにも感じられるところが良かった。Rateコントロールにあわせて周期的に点滅するLEDがこの頃のモデルにはまだ搭載されていないのは唯一残念といえば残念。しかしながら、自分が演奏する時にそのLEDがなくて困るシチュエーションが思い浮かばなかったのできっとあってもなくても同じだろうなという感じはする。

コントロールがややこしいのでメモ。
Rate=コーラスの揺れる周期。エフェクトオン時にはオン/オフをあらわすLEDがこのテンポにあわせて点滅する。
Shape=コーラスの揺れ方の波を決める。左回りは割と普通のコーラス、右にフルアップすると「えっトレモロ?」と言いたくなるくらい揺れ方のピークがゴツゴツして、それ以外の瞬間が目立たなくなる。
Dimension=ディレイ(コーラスではなく、ディレイね)をどれだけ効かせるか。ここが特殊。コーラスペダルってここ、触れる機種が少ない気がする。というかこういうコントロールが搭載されてるからSeaMachine、ただのコーラスペダルという枠組みを超越したのだと思う。
Intensity=ディレイにかかるモジュレーションの深さのコントロール。ディレイを生やしていなくても(=Dimensionコントロールを然程上げていなくとも)このコントロールの恩恵は感じられる。
Animate=コーラスの揺れ方の高低。まともな揺れ方から「正気かよ、お前一応コーラスペダルだろ?」と言いたくなる程、幅がある。
Ddpth=エフェクトの音量。

お気に入りのコントロールは写真の通り。IntensityとAnimateをフルアップすると笑えちゃうくらい効果が強烈になる。Animateの幅が凄くて、右に回し切るとコーラスというか音程も変わっちゃう程。ビヨンビヨンいう。
有識者のレビューを読んでいるとSeaMachine、コーラスとディレイとビブラートの複合機という具合に評してあったりするけれど成る程、言い得て妙だと思う。そのどれでもありドンズバそのものではない感じ、と言ったら言い過ぎだろうか。

購入前に「SeaMachineは難解なペダルである」と評されているのをSNSで見た。ある程度覚悟はしていたのだが、確かにこれは頭を良い意味で悩ませてくれる。
音作りの幅が広いので着地点を明確にして飛び立たねば迷走してよくわからない事になるだろうし、飛び立つ前に見定めた着地点も、一度離陸すると「いや折角これだけ出来るのだからもっとこうした方が良いのではないか?」と欲が出てきて再設定したくなる。可能性と、混迷に満ち溢れた分岐点に何度も立たされる事になるだろう。
着地点が確かなものであった、と一度実感を得られれば2度目以降の旅の行程は随分と明瞭なものになるのであろうが、だがしかしこれは一度着陸するのが大変そうだぞ、と僕はワクワクしている。
同ブランドのRainbowMachineと同じく、作り手を挑発する、実に面白いペダルだと思う。