前回行ったのがいつなのか記憶にないくらい久しぶりの潮干狩り。

義父に声をかけて貰って、潮干狩りに行った。
愛知県西尾市は衣崎海岸で今年は3月中頃から解禁されているという。潮干狩りだなんて何年振りだろう。記憶を辿ってみても幼い頃、小学校低学年頃だろうか、その頃に砂を掘った記憶の残滓が微かに甦る程度であるから、ともすれば30年ぶりの潮干狩りだったかもしれない。

起床して妻の実家に全員集合して出掛けるはずであったが、どうにも最近妻の目の調子が良くない。
花粉症かと思ったけれどもこの日の朝も真っ赤だったので眼科で診察を受けてから直接衣崎海岸に向かう事になった。
アレルギー性の結膜炎という事で目薬を処方して貰った。原因がわかればまずは一安心である。


漁協組合の人に1500円支払い、車を駐車して義父と合流。先に現地入りしていた義姉と姪(1歳)はもう海岸に出ているらしい。
道具も全て、必要なものは義父が用意して下さっていた。義父は優しく、こういうアクティビティに手馴れているのだった。
海岸に出るために堤防を登ると、眼前に広がる光景に驚いた。想像していたよりも多くの人が、海岸の中、遠くの方で砂を掘っている。潮干狩りといえばそうだ、こういうものだったなと思いながら潮が引いた先程まで海の中だった地面に足をおろすと思っていたよりも足が沈み込む。100円均一で購入したサンダルはすぐに泥だらけになった。


熊手で砂を掘ると出てくる出てくる、貝が泥の中に埋もれている。
出来るだけ大粒のものを選んでバケツに放り込んでいく。娘も初めての体験に嬉しそうだ。
割とサクサク集まるもんだな、こりゃ明日の晩御飯はアサリの酒蒸しか、だなんてホクホクしていると蛍光ベストを着た漁協組合のお兄さんが声を「とれてますか」と声をかけてくれた。
バケツの中を見せると「これはアサリじゃないね」と一言。
「えっ」
「アサリは貝の模様が縦縞なんですよ。これは横縞なのでシオフキガイです」
「食べられますか」
「食べられない事はないけど、アサリの方が大きくて美味しいですね。折角来て貰ったのでまた潮が満ちるまで頑張って!美味しいアサリをとって帰ってください」
「わかりました!」
さっきまで喜び勇んでとっていた貝がアサリでないと知り、ちょっとテンションが下がった。唯一、一つだけアサリがあった。確かに縞模様が違うのであった。

場所を変えて再チャレンジしていると、娘が怪我をしてしまった。足の裏を切ってしまった軽い怪我なのだが、しっかり着替えて臨んでいるものの寒そうである。本人に訊くともう満足したとの事だったので後を妻と義父に託して先に車に戻った。
泥だらけの身体をザッと洗って着替えて車中で娘とボーッと過ごした。何だかんだで潮干狩りは重労働だ。
しかもアサリだなんて簡単にとれると思っていたのに、そうでもない。正直、料理の材料としてアサリにそこまで執着があったわけではなかったけれども、これからは有難く頂かなくては。

1時間と少し後、妻と義父がドッサリとアサリを詰めて戻って来た。
「無心になって掘った!」との事。どうやら、どうにかアサリの酒蒸しを食べる事が出来そうであった。