このオクターブファズを自作、音出ししてからブラスマスター系のオクターブファズに関心が高まり、malekkoのB:ASS MASTERと比較したり色々していたのだけれども、メル〇リでDEPTH CHARGEが売りに出されているのを見かけてしまい、火が付いた。
DEPTH CHARGEはPRESCRIPTION ELECTRONICS INC.が製作していたブラスマスター意識のオクターブファズである。
L’Arc～en～Cielのtetsuya氏が使っていたり、ex.ゆらゆら帝国の亀川千代氏が使っていたり、あとはMY BLOODY VALENTINEのDebbie Googe氏が使っている。錚々たる顔ぶれ！
ブラスマスター系の名器と言われているこれ、実際に実機を見かけたのはかつてベース専門店で一度チラッと見た程度、価格は記憶にないのだが、「いやーやっぱり高いなあ」と思ったくらいだから当時から中古で３万超えたりしていたのだろう。
インターネットで検索すると以前は中古で3万切るくらいの時代もあったようなのだが、メーカーがなくなった今、新品が出回る事もなく手にれられるのは中古のみ、となるとタマカズも限られている次第である。
これまで意識にはあったものの熱烈に欲しかったわけでもないが、何故か今回は「絶対に手に入れなければ！」と物欲が燃え上がってしまったのだった。夜中に燃え上がった物欲、そのまま寝入っている妻を叩き起こし、といきたいところだがここは慎重に。
翌朝、休日の朝である。皿を洗い洗濯物をし、家事を片付けながら妻の顔色を伺う。
「欲しいファズがあるのだが」
「4万でしょ？ダメダメ！」
SNSで散々発言しているので妻にも魂胆は見え見えのバレバレである。だがここは想定通り。金額面でダメ出しをされるのもまあ、僕が妻の立場だったら同じように反応するだろう。選択肢として、手持ちの使っていないペダルを売ッ払うとかへそくりを崩すとか色々考えてはいたのだが、ここは一番懐が痛くない方法を選ぶ事にした。
即ち『これから突入するボーナス期、クリスマス期に何も買い物をしないので購入を許して欲しい、と懇願』した。
半信半疑の妻へ、きっちり約束を守る意思のあらわれとして一筆、念書を書いた。
9月19日より6か月後、つまり3月の僕の誕生日頃までエフェクター類を買わないと宣誓したのである。
『エフェクター類』としたのは『楽器類』にした場合含まれてしまうバンド活動上、必要な消耗品の類と差別化するためである。
弦とかピックとかは必要なので。
いやそれにしても絶妙な表情だな、俺。
というわけでPRESCRIPTION ELECTRONICS INC. DEPTH CHARGE、入手！
購入した後に気がついたのだがLEDが付いていない、恐らく初期型？
バンド活動で使う以上LEDは付いていた方が便利かなとも思うが、これもご縁。そもそも選べる程出回っているものでもないのでそれも良しとしよう。
で、早速弾いてみる。
まず自作オクターブファズもB:ASS MASTERもドライシグナルの低域がデフォルトでちょっとカットされているのがどうにも気になっていたので、そこをチェック。うん、問題なし。自作とB:ASS MASTERはドライシグナルとファズシグナルのボリュームが別個についており、ファズシグナルのトーンについてはスイッチ切り替えだったけれどもDEPTH CHARGEはBLENDコントロールにマスターボリューム仕様。ファズシグナルも一般的なGAINとTONEコントロールでシンプル極まりなし。
それでも確かにブラスマスター系の音がするから面白い。シンプルなコントロール、ドライシグナルのローも忠実という二点だけでこんなにペダルとしての印象が変わるのも驚きだ。
名器名器ともてはやされるのが理解出来る。だって僕もすぐに「これは良いわ．．．」と溜息交じりに呟いてしまったもの。
滅茶苦茶格好良い音が出る、というファズペダルに求める大原則もきっちり抑えつつ、痒い所に手が届く音作りの幅の広さ。
大変良い買い物をした。念書を書いて良かったぜ！！