辻斬りっちゃんとスタジオに入った日記。


辻斬りっちゃん(ガストバーナー)と二人で楽器を持ち寄り、スタジオに入った。

辻斬りっちゃんはいつの頃だったか「師匠と呼ばせてください!」と本気なんだか冗談なんだかわからない様子で言われ「人に教えられる事の程はないよ」と返したものの、話をしていると教えるというよりかは知っている事を伝える事くらいなら出来そうだったので、まあ、その、なんだ、彼女が困った事があったらコメントするようにしている。
人生は長いし短い、僕の知っている事で彼女が少しでも近道出来る部分は近道出来るなら、僕の遠回りも浮かばれようというものだ。

これまで
・「グリッサンド(弦をグイーンとスライドさせてブーン!という音を出す演奏技法)で太い音が出ないです」→「俺が良いと言うまで反復したまえ」→舟橋、寝る→舟橋、起床→その間ずっと反復していたようで指が火傷気味
・「指板を見ずに格好良くガシャーン!とベースを弾けるようになりたいです」→「目隠しして練習だ」→頭にタオルを巻いて目隠しして練習→「出来るようになりました!」
・「サンズアンプの新しいの、いいよ。買いなよりっちゃん」→「本当ですか!」→本当に、買った
という、彼女が僕を呼ぶ時の『師匠』という呼び名を裏切るようなエピソードばかりではあるが、それなりに伝えられる事は伝えてきたりも、した。
今回はファズについて、との事で「あ、これはちょっと本気になっちゃう奴だ」という科目。

話を聞くとどうもズギャーン!とした音が出ないという事でじゃあやっぱり音を出しながら話をするかとスタジオに二人で乗り込んだのだけれども、歪みばかりの凶悪な辻斬りっちゃんの足元に戦慄。攻める意思しかないそのペダルボードは、もう繋がっているペダル(チューナー、BOSS BB-1X、サンズアンプv1とv2、SHIGEMORIの歪み、ハンドメイドのファズ、ブレンダー)からしてイカツいのであった。
結果的に彼女の悩みは接続順を変える事で解決、一応僕が用意したビッグマフを貸したものの、りっちゃんが使ってたハンドメイドのファズも格好良い音がしていた。どんなブツなのか詳細が気になるところ。上の写真の赤い奴なんだけど。辻斬りっちゃんに続報を求めた。

僕は入手したてのDEPTH CHARGEを弾いてご満悦。
兎にも角にも最高。

帰りの車中で「お互い10年前と変わらずこうしてベースギター弾いてるのは凄い事だよな」だなんて話をする。
活動を続けるとバンドを辞めたりそもそも楽器を弾く事を辞めたりしていく連中の方が多い。
最早、僕も彼女も生き残った側なのであった。ここまで来たら、ずっとそうであろう。