Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125

音楽は素晴らしい。
音楽は我々の精神的な高揚、そして感動をもたらしてくれる。
僕の場合、当たり前の事なのかもしれないけれども、当たり前過ぎてつい忘れがちというか見落としがちになってしまう。
音を楽しむ=音楽。

しかして時にそれは楽しむという行為すら超越した、圧倒的な吸引力を持って眼前に広がる“力”に成り得る。
我々はその大いなる力に底知れぬ感動を味わい、人生の悦び、そしてそれを享受できる悦びに打ち震える。精神は日常から解き放たれ、俗な思想は木っ端微塵に粉砕され、そしてただただ耳から入る音、目を閉じれば繰り広げられる映像、大量に分泌される脳内物質だけが支配する世界へと足を踏み入れる。

僕の祖父はカラヤン贔屓だった。祖父が遺した大量のCDはそのほとんどをヘルベルト・フォン・カラヤンの名が印刷されており、時折ジャケットに映るその厳しく、厳格な姿に僕は「指揮者とはこういう存在なのか!」と強烈に印象付けられた。
指揮者のイメージすなわちカラヤン。

そして僕は今日もこの人類史上永劫聴き継がれ、愛され続けるだろう交響曲第9番合唱付に鳥肌立てられるのだった。

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