いつだったか、どのタイミングからだったか、XoticのBass BB preampを購入して使っている。
オーバードライブ探しの旅というのは終わりがないもので「これ」というものが見つかってもしばらくすると飽きるわけではないのだが、なんだかちょっと風合いが違ったものを使ってみたくにって、で新しく買ってはその楽器の気に入らない部分とか「もっとこうだったらいいのに」みたいな部分が見えてきてしまって、それらの点を満たすブツを探して買ってしまう。最近ではもう自分の趣味嗜好がいずれ他の方向へ向かう事はわかっていて、一旦出音に満足しても「どうせいずれ他の方向へいくのだろう」と心の片隅では思っているから「これで歪み探しの旅は終わった」とか「人生最後の一台を手に入れた」とか迂闊に口にしないようにしている。妻に笑われるからだ。
そのうち、自分の手持ちの楽器が物凄い数になれば自分の手持ちのブツの中だけで趣味嗜好の変化、そしてそれらによる表現欲求を満たせるのではないかと思っている。今は兎に角、買い続ける他ないのだ。「今」がいつ終わるとも知らないのだが。
さて、Bass BB preampは最早ベーシストのスタンダードアイテム、と言い切っては言い過ぎかもしれないが、定番アイテムの中の一つと言っても差し障りないのではないだろうか。
Xoticというブランドにはどこかハイソサエティな印象があり、粗野で俗っぽい僕がこの年齢になるまでX-BLENDERしか使った事がなかったのもそういうブランドイメージにどこか苦手意識を持っていたからに他ならない。いや完全にこれは偏見で、多分使えば気に入るんだろうなという予感もなくはなかったのだけれども。
でもやっぱり定番アイテムだし一度使ってみるかくらいの気持ちで買った気がする、そうだ思い出した。確かそうだ。オーバードライブの沼に片足突っ込んでみてはすぐに抜く、そんな沼の入口をウロウロしながら買ったのであった。
で、正直に打ち明けると購入以降、ほぼ毎回演奏の際にはこれで軽いオーバードライフサウンドをまかなっている。
トレブルとベース、そしてゲインとボリュームというわかりやすいコントロールは迷う事もないし、しかしそれでいてコントロールの反応も良く、ファズみたいな歪み方を求めるのでなければ非常に求める音にアクセスしやすい。
時計の9時を過ぎた辺りから歪み始めるGAINコントロールは変に効き過ぎる事もなく、それなりの緩やかさで可変するので触っていてビックリする事もない。アンプライク、というとアンプで歪ませた経験がない僕がそう書いてしまう事自体大嘘になってしまうけれども、エフェクターで歪ませた感じよりかは自然に歪んだようなそんな印象。
また、12時の位置でクリック感があるトレブルとベースはベーシスト的に「そうそう、そこ効いて欲しいのよ」というところに効いてくれる。
ゲインを上げるとジャッキッとした部分が出てくるのでトレブルを少しカットしてベースを少し足してあげるのが僕の好みだ。音量も不足ない。
オンにした時に「ちょっと歪んじゃった」くらいの感じにするのが主な使い方である。
定番になるには理由がある。
よく出来てるよ、これ。
あ、でも唯一の欠点がツマミの視認性が最悪な事。大須のパーツ屋さんに行ってツマミだけ買ってきて交換してしまった。これで視認性も見た目も良くなった。
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