『ロード・オブ・ウォー』

続・我が逃走

公開当時週刊誌でレビューを読み、気になっていた映画をやっと視聴。

ニコラス・ケイジ主演『ロード・オブ・ウォー』である。

まずは粗筋を。


ソビエト連邦崩壊前夜のウクライナに生まれたユーリー・オルロフは、少年時代に家族とニューヨークへ渡り、両親が営むレストランを手伝いながら育った。ある日ロシア人ギャングの銃撃戦を目撃したユーリーは、レストランが食事を提供するように、戦場に武器を供給する仕事をしようと決心する。弟のヴィタリーとパートナーを組んで闇の世界に足を踏み入れたユーリーは、混沌とした世界情勢を追い風に、瞬く間に世界有数の武器商人へと上り詰めていく。だがその動向を嗅ぎつけたインターポールのバレンタイン刑事が背後に迫っていた。



まずはオープニング、一発の銃弾が作られ、パッケージングされて輸送されて、装填されて撃ち出されてという“弾丸の一生”を“弾丸視点”で描いたシークエンスが秀逸。映画の導入やアヴァンタイトルで映画を観る意欲を刺激されると、その後の集中力が違う。この段階で本作が丁寧に、そしてクリエイティブに作られているのが察せられる。

実在する武器商人4人のキャラクター像を盛り込んだ主人公、その主人公が過去を語る形式で物語は進行するのだけれどもニコラス・ケイジ演じるこの主人公がまた魅力的。題材が題材だけに神経質になりがちではあるけれども、中途半端にヒューマニズムを振りかざしたりしないので鼻につかずに視聴出来る(勿論人間としての弱さの部分も描かれるけれども、意外な程にアッサリと進行するので興醒めしない)。あくまでビジネスとしての武器販売を、重すぎないタッチで描いたのが好印象。

サクサク物語が進んでいくので飽きずに楽しめる(それ故に唐突な印象を受ける瞬間もなくはないけれども)し、ニコラス・ケイジの演技も良い。いやらしい笑顔を顔面にはりつけ、時にはいけしゃあしゃあとお題目を、時には武器の性能についてさも魅力的に語る主人公は彼の存在によって命を吹き込まれたといっていい。

ニコラス・ケイジは重厚過ぎず、軽過ぎずで丁度良い存在感の俳優だと、この映画を観た事によって気付いたのである。

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