バンドへのクリスマス・プレゼントの巻。

パイプカットマミヰズは現在12月30日のライブに向けて諸々調整中である。名古屋では初めての演奏披露となる5人編成(Vo,Gt/Gt/Ba/Key/Dr)である。勿論、今までで一番良い。優秀なサポートミュージシャンが二人、参加している。この二人に関してはそれぞれ単身での参加はあれども、同時に演奏に参加しだしたのはつい最近の事で、二人のポテンシャルの高さを再認識しながらの演奏は実に楽しい。今のパイプカットマミヰズは様々な形態を模索した2010年では間違いなく、最も重量がある。軋んだ重機が唸りを上げながら動くよう。

で、その練習をしていた時の事。

お馴染み市内某所の地下スタジオに篭って演奏していた時の事。僕は背後に大きな窓ガラスを背負っての演奏だったのだけれども、ふと気配を感じて振り返るとガラスの向こう、ロビーにて赤ら顔の海の向こうの隣人が手を叩いて両手でグッドサインを送っている。あまりに突然の事で唖然として見ていると、隣人、懐をまさぐって紙幣を一枚抜き出して、ロビーのテーブルに置いた。親指を立てて去っていこうとする隣人をジェスチャーで呼びとめ、スタジオに招き入れる。独特なフレグランスの香りを振りまいて、彼氏はスタジオに入って来た。

我々の演奏が気に入ったのか、と片言の英語で尋ねると、彼氏、頷いて肯定。

我々はプログレッシヴで重たい音楽を演奏しているのだが、貴方はそういう音楽が好きなのか。

どうやら隣人の母国語は英語ではなかったのか、それとも僕の英語が拙過ぎたのか、氏は曖昧な表情を顔に浮かべ、それでも笑顔だ。

「踊るチンポコリン」という曲があるので「ういうぃるぷれい“だんしんぐぺにす”!」と言うと再び笑顔。とりあえず、演った。隣人は演奏中、ドラムセットの中の駒田君にちょっかいをかけたり、ベースアンプを抱きかかえたりと随分と酔っ払っている様子。そのうち再び笑顔でスタジオを出て行った。

嵐のように現れて嵐のように去って行った隣人。スタジオを出、テーブルの上を見るとそこには一万円札が。

我がブログを読んで下さっている親愛なる読者諸兄、正直に打ち明けよう。

僕はここまで高額の報酬を、たった一曲の演奏で受け取ったのは初めてである。勿論懐にすんなり入れるのにはあまりにも高額だったし、あまりにも唐突な展開だったので慌てて後を追ったのだが、隣人は影も形もない。

思えばあれは、サンタクロースだったのではないか。

あまりにも出来過ぎな出来事だし、締めくくりとして落ち着けるには美化し過ぎな気がしないでもないけれども、とりあえず我々の演奏が海の向こうの友人の心を少しでも動かした事が物凄く嬉しかった。

それは、“100人いたら10人が気に入るか気に入らないか”と評される我々の音楽が、一つの形として評価された瞬間だったのだ。

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