ブタと貴様ら、デビュー戦

2018_07_09_001
新栄CLUB ROCK’N’ROLL 本多さんから「7月4日に何かやらない?」と一見ざっくばらん(過ぎる)けれどもその実相当に贅沢なお声がけを頂いて、ふむ、今の俺は何がしたいだろうかと考えた結果、即興演奏をするバンドを結成して演奏でその場に臨む事にした。
少し前だったら演劇作品を作ったり一人芝居を作ったり、きっと「楽器を使わない表現活動」を視野に入れていたのだろうけれども、今思えば自分でも意外な程すんなりと「あ、演奏したい」と思っていたのであった。
色々な活動を通じて結局楽器に帰ってきたのだろうか。いや、違うな。結局どれもが同じである、とようやく心の底から感じる事が出来ているのかもしれない。数年前には同じように口では「結局全ての表現は同じである」とか嘯いていたものの、自分でも視界の隅くらいにはけれども表現媒体の違いには明確な違いがあって場によってはその受け取られ方にも明瞭な違いがある、と認めていたのであった。そんな「こうであって欲しい」と自分自身含めての「そんな受取方しか出来ないなんて」というところへの反骨精神みたいなもの、そういう一心で僕は色々な表現にぶつかっていっていたように思う。
ようやく、何でも好きなように気軽に、真剣にやれるようになってきたのかもしれないな。
僕みたいな未熟者は何をするにしても時間がかかるのだ。

さて、随分と話が逸れたけれども、では今の自分が即興演奏でガッツリと組み合いたいのは誰だろうかと考えたところ小野浩輝さんと梶藤奨君(26時/数秒にも満たない)のお二人にお声がけさせて頂いた。片や大先輩、片やサウナ友達である。いずれにしても絶対に面白いセッションになるであろう敏腕のお二人だけに事前に軽く合わせますか的な一時間半のスタジオ入りは大変楽しみにして向かったのであった。
一時間ばかしぶっ続けで演奏したと記憶しているけれども良い意味で想定を裏切られ、これだから人と演奏する事は楽しいのだと思い知らされた。二人とも出す音出す音がいちいち格好良いからたまらない。

バンド名はゴールディング『蠅の王』から拝借して「ブタと貴様ら」とした。
ちょっとパンク過ぎるかとも思ったけれども元ネタが元ネタだ。良しとした。
一度こっきりの演奏かと思いきや、演奏後に自然と「またやりたいねえ」という話がメンバー同士の中で飛び交った。格好良い先輩に格好良い同輩からそんな言葉が出ただけでも僕は嬉しかったのである。
当日の演奏はどうだったかって?
バキバキだったぜ!

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