実はNano Bass Big Muff Pi、買い直していた。

一度手放した機材を買い直す事があまりにも多いので、もう機材は手放さないようにしている。
何度リング・モジュレーターを買い直したか。
人生でLS-2を買った経験は何度になるだろうか。

その時は「もう使わない」と思って手放したものの、時を経てそのペダルの良さを理解出来てしまった。だから買い直した。
そんな経験を何度かしていると、もう機材を手放す気もなくなってくる。
「これは今好みじゃないけど3年後にはどうかわからないな」「今のシステムだとこれは必要ないけど5年後はどうだろうか」「これは後継機種を買ったけれど、ひょっとしたら10年後とかに弾き比べしたくなるかもしれない」
こうなってくると、もう何も手放せなくなってしまう。過去に手放したペダル達もいずれは僕の手元に帰ってくるだろう。そういうものだ。
さて、昨年実はファズを買い直していた。

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この日記によるとelectro-harmonixのNano Bass Big Muff Piを人生で初めて購入したのは2015年の事である。
日記を読み返すまでもなく憶えている、確か演奏で頂戴したギャランティをどうにか物で手元に残したくて価格も手頃なこれを購入したのであった。歪み方も鋭く、それまで使っていたBass Big Muffとは仕組みこそ似通った部分があるものの、ファズの部分は違うペダルなんじゃないかというくらい違うのであった。ただただ小型化されたってわけじゃあないんだね。
だけど、どういうわけだかNanoの方はいつの間にか手元からなくなっていたのだ。
多分、金欠の時(あの時だろうか、それともあの時だろうか)に手放してしまったのだろう。惜しい事をした。

確か出回った当時は「Nano Bass Big Muffはアーミーグリーンに肉薄した音がする」と話題になっていたと思うのだけど、その後まさかの本家がアーミーグリーンのビッグマフを復刻して、そりゃあ皆そっちに飛びつくよね(実際僕もすぐに買った)、こいつの存在ってどんどん希薄になっていってしまったのだ。

だけど、やっぱりドライブレンドは便利。
日によっては「ドライブレンドは甘えだろ」みたいな気持ちになったりもするのだけど、実際のところ僕は自分好みの仕様のブレンダーまでお願いして作って頂く程に「エフェクトシグナルの中にドライシグナルを混ぜる」事の有益さは実感している。
ファズの場合でも、いやファズの場合では特にドライブレンドは素敵な機能だ。

ビッグマフを使う時というのは大抵がアグレッシヴな気持ちになっている時でそうなってくるとトーンコントロールも右の方に回ってくるわけなんだけど、そうするとビッグマフの「左に回すとローブーストでハイカット、右に回すとハイブーストでローカット」というトーンの効き方故かちょいとばかし低域が寂しく感じたりする。そういう時にNano Bass Big Muffは(これはNanoじゃない方でも同じだけど)ドライモードにするとバイパス時と同じ音量のドライシグナルがエフェクトシグナルと同時出力されるので補正に最適である。

ボリュームコントロールはエフェクトシグナルの音量であって、ドライシグナルは常に一定。一定のドライシグナルに対してエフェクトシグナルをボリュームコントロールで足していくイメージ。このドライブレンドの方法って珍しい気がするけど、意外と使いやすい。
妻と娘の寝かしつけがてら少し遠方の、夜中まで営業しているリサイクルショップに行ったのだがそこで手頃な価格で購入。
改めて弾いてみて、うん、良いファズである。

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