『コピー品とはいえ、ここまで手を込めて貰えるとは』という一台。

現金なもので、良い演奏を自分の眼前で繰り広げたミュージシャンから「音作り良いですね」と褒められると無性に嬉しくなって猶更に研究に勤しんでしまう私である。
Jojo MayerというかNERVEについて思いを馳せているとあるペダルについて思い出した。
それこそもう10年以上前だろうか、電気工作に明るい友人(彼もまた、ベースプレイヤーである)にZ-VEXのwoolly mammothのコピーを作って貰った。きっかけでは憶えていないけれども「何でも1個作りますよ」みたいな話になり「じゃあwoolly mammothで」とお願いした記憶はある。当時、何故このベースファズを欲しがったか記憶が定かでないが、多分当時の自分からすれば高くて手が届かない代物だったのだろう。当時はまだ3万円を超えるようなベースファズよりもロシア製ビックマフ(黒)が好きだったのだ。当時はまだそこまで高くなかったしね、ロシア製ビックマフ(黒)。
完成したものの、どうにも音量が小さく後にELECTROGRAVEの小池さんに修理、というか仕上げて貰ったのであった。


デザインは回路を組んだ友人とは別の方が描いて下さったはず。塗装が少しずつ剥げてしまっているが、格好良いデザインだと思う。
Z-VEXのwoolly mammothのいってしまえばコピー品であるこれを思い出したのは前述した通りNERVEについて思いを馳せた事に依る。NERVEのベーシスト、John Daivis氏がOC-2の次に接続しているのがwoolly mammothだったはずだ。
とはいってもコピー品であり、その上僕は実機を弾いた事はあるけれども本機と厳密に比較した事はない。あくまで『このコピー品』についての感想である。

まずはコントロール。OUTPUT=音量、EQ=高域の調整、PINCH=左に回すとブチブチ右に回すとオープンに、WOOL=ゲイン、という具合である。EQはトーンというよりかは音の明るさの調整という感じで、絞っていくと音が落ち着いていくというような印象だ。PINCHが一番音のキャラクターを決定付けるコントロールであると感じた。
いずれにしても音がブッとい。極厚のローエンドも素晴らしい。弾いていて、ついつい楽しくなってしまうファズだ。
どうして以前は地味とか抜けにくそうとか思ってたのかな。
昔はもう少し触りにくいペダルのような印象を受けていたのだけれども。
自分をブン殴ってやりたい。