感想一筆書き。

漢にはやらねばならぬ時がある。バンドマンにそんな日、そんなライブが年に何回、はたまた一生涯に何度あるかわかりはしないがただ一つだけ確かなのは僕にとっては今夜がそれだったという事だ。

SEBASTIAN Xと太平洋不知火楽団がやって来る。しかも名古屋は新栄CLUB ROCK’N’ROLLに。迎え打たねばならぬ。
太平洋不知火楽団と過去二回にわたって共演し、ベーシスト大内貴博君を名古屋に連れ帰ってしまった身としては彼を迎え打たねばならぬ。同じタカヒロなら握る楽器も同じ、年齢もそう違わぬ彼を僕は勝手に心のライバルと決めているのだ。
今夜は自分のスペック以上のものを出さねばならぬ。そう心に決めていた。

開場から開演の間まで、沢山の人がROCK’N’ROLLの扉をくぐった。沢山の人が集まる中、公演は幕を開けたのだった。

トランプが一バンド目にも関わらず、本日のハイライトと言っても差し支えないライブをした。じゃんこさんの流した涙に心臓を鷲掴みにされた方も多いだろう。
ステージ上から慈愛を発散しながらトランプが演奏していた。
続いて太平洋不知火楽団。
もうね、彼らの前では僕はバンドマンであるというかただの一ファンですよ。「うわあ、笹口さんステージドリンクがパックジュース!」みたいな感じだ。しかし何だ今夜の太平洋。あれはやばいぞ。あんな気迫の塊みたいな演奏見たら心臓がたぎらないわけがない。
そして東のタカヒロよ、大内君よ。僕は本当に彼を尊敬する。一匹の獣のようになりながら演奏する彼。感服、だ。
人間に毛が生えた。この独特な名を冠するバンド、バンド名も独特なれば演奏する音楽も独特。ドロドロッとしたものを根底に抱いたロックバンドなのだけれど「どうやって作ったのだこの曲」みたいな曲展開が素晴らしい。
SEBASTIAN X。同じ自作自演屋として僕は悔しい。曲も素敵なればメンバーの放つオーラもアーティスティック、メンバー間の演奏の息もピッタリときたらこれは完全なるエンターテインメント。誰かが「ノスタルジックでかえって新しい」とその音楽性を評していたけれどよくわかる。あのポップ感の正体こそ、まさしくそれだと思った。

こんなべらぼうに楽しい夜に、悔いの残るライブをしたらそれだけで罪悪だ。出演を熱望した身としてそれだけはしまい、と決めた。
遠方の盟友の気迫に応えねばならぬ。そんな個人的感情で挑むライブがあっても良いではないか。気合いと情熱が演奏に直結するならば、今夜の自分は間違いなく過去最高のライブが出来るはずだ。

いやあ、楽しかった!心の底から楽しめた。ベースアンプからアウトプットされる音が完全に自分の味方で、一音一音に鼓舞されたようでさえあった(個人的な感想だけど、あのライブハウスのマーシャルのベースアンプは最高である)。
機材トラブルや予定外の間もあったけれど、トータルで滅茶苦茶に楽しんだ。

打ち上げも盛り上がり、明日の大阪公演を控えた東京勢を佐藤家へ。僕と大内君、各務君は大内君がかねてから熱望していた大丸ラーメンへ。
大内君、それにしてもよく食うなあ。痩せの大食いって奴か。

本当に良い一日だった。SEBASTIAN Xに太平洋不知火楽団の皆様、明日も良い演奏をされますように。そしてまた会いましょう。

続・我が逃走-CA390796.JPG
佐藤家にて、ベーシストが3人。
僕がベーシスト、
飯田君(SEBASTIAN X)がベース、
大内君(太平洋不知火楽団)がベースアンプを表現してみた。

コメント