鈴木実貴子ズ@新宿motion

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写真は上保昂大さん。曲間で目が合って照れてしまったのはここだけの話だ。
25日は鈴木実貴子ズで新宿motionにて開催される「STRIKE A CHORD vol.3」に出演。

サポートメンバーとして参加する僕としては滅茶苦茶に嬉しいのだけど「バンド編成で」出演オファーを頂いたらしい。冥利に尽きる申し出だ。
だからってわけじゃないが行きも帰りも出来るだけ2人に負担をかけないようにしたい、という気持ちが自然と湧いてきた。2人で行っていればきっと高速バスなり新幹線でまだ楽な行程になったはずなのだ。翌日はきっちり休養が取れる事も確定していたし、いっちょ気張るかという気持ちであった。
それにしても日本は狭くなった。新東名高速道路の開通によって体感上、東京は一時間は近くなった。往復共に静岡のSAで静岡おでんを食べた。往路の静岡おでんはイメージ通りの味付けが濃いもの、復路の静岡おでんはちょっと薄味。美味かったが、行きも帰りもダシ粉をかけ過ぎた感があった。

新宿motion、一番頻繁に来ていた頃のスタッフさんはもう誰も在籍していないらしい。だがフロアも楽屋も、そして楽屋やトイレに貼られたパスは時間を越えて当時のまま、或いはその頃によく名前を見たバンドのものが多くあった。楽屋のトイレで用を足しながら自分の所属バンドのステージパスを探してみたが一枚もなかった。よく考えればどのバンドのどのメンバーもあまりライブハウスにパスを貼りつけて帰るタイプではなかったし、僕は毎回「記念に」とエフェクターボードや自室の壁に貼り付けるためにステージパスを大事に持ち帰っていたのだった。探したって見つかるはずがない。

到着してゆっくり過ごしていると共演バンドが集まってきた。
その頃から体に緊張なのか体調不良なのか、足元がおぼつかない感覚があった。ソワソワしてどうも腹が据わらない感じというか、違和感でしかない。風邪のひき始めかもわからんとこんな事もあろうかと鞄に入れてきた市販の風邪薬を服用する。僕がよく使うのはパブロンゴールドだ。副作用が気持ち良い、と愛用する中毒者もいるそうだ。確かに言われているからプラシーボかもしれないけれど、ちょっとした多幸感が味わえる気がする。それならば緊張にも効くだろう、とどちらの備えとしても最適であるなと思った。

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この日のサンズアンプのセッティング。
最近は意識的に音作りを見直していて、具体的にどう変えたかというとそれまでより全体的にベースの出音を低い周波数帯域に動かしている。SANSAMP BASS DRIVER D.I v2はミドルとベースをどの周波数にするかそれぞれ設定する事が出来るのだがミドルを500hz、ベースを50hzにしている。ブースト目にチューニングしているからかこの2つの周波数の設定だけで随分と雰囲気が変わる。これまではアタックに低域がついてくるイメージで音作りしていたのだが、今はふくよかな低域の中でしっかりアタックが鳴っていて欲しい。そういうイメージで音を作っている。アンプはフラット目、補正程度に使っている。ギャリエンクルーガーのアンプヘッドは補正程度にしか触らなくとも、音をしっかりと、ゴツン!とぬけさせてくれる。
これまでよりローに寄せた音作りにしたかわりにドライブコントロールもガツッとブースト。全体的にざらりとした質感を加えたいのと、あとはプレゼンスを上げた時に出てくるアタックが綺麗過ぎない方が良いのでそうしている。
プレゼンスは固定しているミドル、ベース、ドライブ、そしてブレンドに対してその日のアンプからの出音によって調節するイメージである。
歪んだアタックが浮き上がってくる程度にブーストしていく。アタックが出てくると同時に音が引き締まった感じも出てくるように思われる。
本番前の転換時でお客さんが入ったからか出音に変化が生じたように思われたのでリハーサル時より微調整。結果的に良い感じの出音で演奏出来たと思う。演奏しながら自分の音ににんまりとしたのは久しぶりだ。
EarthQuaker DevicesのPlumeは相変わらず素晴らしいオーバードライブだ。実際持ち込みのアンプヘッドを通して低い周波数帯域中心で音作りして、そのドライシグナルをPlumesで歪ませるのはこの日が初めてだったが何が凄いって購入当初の印象が変わっていない事だ。本当に音作りしやすい。余程ペダル自体のチューニングが良いのだろう。

この日の演奏はここ最近では会心の出来。
最高を更新していくのは演奏家たるものの宿命というか使命というか、もうこれはそうしていくべきなのだろうけれどもそれでもやっぱりなかなかそうとばかりも言ってられないので実現出来ると嬉しい。
バンドとしての評判も良かったようだし今まで鈴木実貴子ズ 通常編成に親しんだ方の評判も良かったようだ。これが一番嬉しい。
いざ前日まで東京に着いたらラーメン二郎を食らって中古楽器屋を覗いてなんならサウナも入って、と遠征を満喫しきる気満々だったのだがいざ東京に着いてみるとそのどれもどうでも良く、ただただ演奏をちゃんとして体調良く名古屋に戻れれば、という思いで一杯になっていた。多分、気圧のせいじゃないかしらとは思いつつも演奏が終わったら失っていた物欲、食欲、サウナ欲が一気に復活していたので要するに緊張していたんじゃないだろうか。
良く言えば演奏に気持ちが集中しているという事になり、悪く言えばそれだけ余裕がないという事だ。

ただ演奏前に腹にどっさりと食べ物を入れなかったのは精神的にハングリー精神が増して良い作用があったように思うので、これからちょっと演奏の日は腹にものをあまり入れずに臨もうと思う。

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