中区で、練り上げる。

仕事が終わって出掛けるまでのふとした隙間にこれを書いている。
日々思う事はあれども、書ける事も書けない事も「ああ、このまま流してしまえ」と意図的に書き逃す事があって、きっとそういうのってほぼ日常的に抱くような感覚だからきっと10年後も変わらないだろうから書く必要がないんだろう、と思っているわけだ。でもそういうのこそなあ、変わってしまったりするんだろうなあ。

昨夜は仕事を終えてベースギターとプリアンプ(言うまでもなく、幸せの黒い箱=サンズアンプだ)を抱えて金森君(MoNoSiRo)宅へ。
名古屋は中区の、ライブハウスがひしめき合っている地区に住んでいる彼の自室にはエレキドラムにミキサーにDAW用のスピーカーと、それは結構な装備が揃っている。ミキサーにプリアンプをかましてプラグイン、ギターもエフェクターをかましてプラグインすれば、小音量ながら相応の実際的な感覚を伴って演奏が出来る。ライブさながらの練習、とまではいかないけれども感覚的な部分のすり合わせ、それぞれのフレーズ構築、そして新曲制作くらいなら余裕で金森君の自室で行う事が可能である。
MoNoSiRoはドラマー脱退を受けて実質金森君のソロプロジェクト化しているのでその運営費用の全てを彼が負担している。スタジオ代というのは結構財布を圧迫するのだ。だからというわけではないけれども(小音量の演奏というのは大音量とは違った側面で、バンドの姿を浮かび上がらせるものである)、ここ最近は彼の自室に集まる事が多い。
スティックカウントの音量が爆音に感じるくらいの音量での合奏は、実はここ最近の自分にはとても気付かされる事が多くて大変充実している。ピッキングの仕方による出音の変化を楽しみ、左手の運指による出音の変化と自分のリズムの癖にハッとし、そして演奏しながらでも会話可能な状況が「おいここはやくなるぞ」とか「もうちょっと抑えて」だとか、そういったやりとりをオンタイムで可能にし、それがバンドのアンサンブルに少しずつ変化をもたらしている。
いつかきっと、人前での演奏でもそれが顕在化するだろうと信じて僕達は深夜にこそこそと演奏している。近所迷惑を恐れながら。

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